ドバイ不動産の基礎/解説

ドバイのフリーホールドとは?外国人所有の仕組み

ドバイのfreehold(フリーホールド)を、外国人が所有できる指定区域、DLD登記、leaseholdとの違い、確認手順から解説します。

ドバイのfreehold(フリーホールド)とは、法令上、期間制限のない不動産所有権です。外国人も、非UAE国民の所有が認められた指定区域でfreeholdを取得できます。重要なのは、物件広告にfreeholdと書かれていることではなく、対象区画で取得する権利がDLDの不動産登記簿へfreeholdとして登録されることです。

freeholdを中心に指定区域、対象物件、期間制限なし、DLD登記を結ぶ関係図
freeholdは地区名や広告ではなく、指定区域・対象物件・権利・登記の組合せで確認します。 出典:Dubai Law No. 7 of 2006(確認日 2026-08-30)

freeholdの法的な位置づけ

Law No. 7 of 2006第4条は、UAE国民等の所有区分を示したうえで、統治者の承認により、非UAE国民が特定区域で期間制限のないfreehold ownershipを取得できると定めています。同じ条文は、最長99年のusufructまたはleaseholdも別に示しています。

つまり、freeholdは「外国人向け物件」の宣伝名ではなく、登記される権利の区分です。物件の所在地、区画、住戸と権利を対応させて確認します。

freeholdエリアとは

Regulation No. 3 of 2006は、非UAE国民が権利を取得できる区域・区画を定めています。一般にはこれらがfreeholdエリアと呼ばれます。ただし、地区の通称や開発名称と法令・DLD上の区域名が同じとは限りません。

大規模な地区内でも対象区画が分かれる可能性があります。地区名のリストだけで判断せず、購入候補の土地番号、建物、住戸、プロジェクト情報をDLDの記録と照合してください。指定区域は追加・変更され得るため、古い解説記事だけを根拠にしません。

地区、区画、物件、権利、DLD登記の確認手順
地区の通称からではなく、契約対象の区画とDLD登記へ順に絞り込みます。 出典:Regulation No. 3 of 2006(確認日 2026-08-30)

freeholdで持てるものを確認する

アパートメント、ヴィラ、土地では、権利の対象範囲が同じとは限りません。アパートメントでは専有住戸と共用部分に関する記録、駐車場や倉庫の扱いを確認します。ヴィラでは建物と土地の対応、境界、付帯施設を確認します。

「永久所有」という日本語だけでは、持分、共用部分、利用制限、抵当、サービスチャージの義務までは分かりません。Title Deedと物件記録に示される名義人、物件識別情報、権利、条件・制限を確認します。

leaseholdとの違い

freeholdは期間制限のない所有権であるのに対し、leaseholdは期間を持つ権利です。外国人については最長99年の枠組みが示されています。残存期間があるため、更新、譲渡、相続、担保、終了時の扱いを契約で確認します。

価格が安いか高いかだけで両者を比べないでください。権利の期間と対象が異なれば、同じ条件の物件ではありません。usufructも所有権そのものではなく、利用と便益に関する権利として分けて確認します。

freeholdとleaseholdの期間、確認点、出口を左右に並べた比較図
両者は期間と権利内容が異なるため、価格だけを並べて比較しません。 出典:UAE Government property guide(確認日 2026-08-30)

DLD登記までが確認の中心

DLDは不動産権利を登録する機関です。同法第9条は、権利を設定・移転・変更・消滅させる取引をProperty Registerへ登録するよう定めています。第22条では、DLDが登記簿のデータに基づきTitle Deedを発行します。

予約、売買契約、支払い、鍵の受領は重要な工程ですが、それだけで登記内容の確認にはなりません。完成物件とオフプランでは登録の段階や受け取る証明が異なるため、契約時点と完成・引き渡し後に何が登録されるのかを確認してください。

freehold物件を確認する手順

  1. 契約書上の正式な物件・区画情報を確認する
  2. 非UAE国民の所有が認められた指定区域か確認する
  3. 登記される権利がfreehold ownershipか確認する
  4. 売主またはディベロッパーと物件記録を照合する
  5. 抵当、持分、利用・譲渡上の制限を確認する
  6. 支払い後のDLD登記工程と発行物を確認する

freeholdでも投資結果は保証されない

期間制限のない所有権であることと、価格が上がること、賃料が得られることは別です。エリアの供給、物件状態、管理費、空室、賃貸契約、為替、売却時の買主などが結果に影響します。

freeholdだから安心、オフプランだから高収益、人気地区だから売れる、といった一語で判断しません。権利の確かさは必要条件ですが、収支と市場性は別に検討します。当社は値上がり、賃料収入、利回りを保証しません。

よくある確認不足

  • 地区名だけを見て指定区域だと判断する
  • freeholdと長期leaseholdを同じと扱う
  • 予約申込書を所有権の証明と考える
  • 住戸だけでなく土地も同じ形で所有すると決めつける
  • Title Deedの画像だけを見てDLDの正式経路で照合しない
  • freeholdなら管理費や利用規約の制約がないと考える

完成物件でfreeholdを確認する

完成物件では、売主の名義、物件識別情報、権利の種類、持分、抵当や制限をDLDの記録で確認します。内覧で見た住戸と契約書・登記上の住戸が同じか、駐車場や倉庫などの付帯部分が何に含まれるかも照合します。

賃貸中の物件では、入居者の占有、賃貸契約、賃料の受領、保証金、退去や更新の扱いを確認します。freeholdの名義が移ることと、既存の賃貸関係がどう扱われるかは別の論点です。空室として使える前提や、すぐ希望賃料で募集できる前提を置かないでください。

引き渡し時には、鍵や設備だけでなく、権利移転の完了と受け取った証明を確認します。売買契約への署名日、代金支払日、実際の占有開始日、DLD登録日が同じとは限らないため、それぞれを記録します。

オフプランでfreeholdを確認する

オフプランでは、将来完成する住戸のfreeholdを前提に販売されていても、契約時点で完成物件のTitle Deedが発行されるわけではありません。プロジェクトの登録、契約対象の住戸、支払先、支払工程、工事・引き渡し条件、完成後の登記工程を確認します。

完成予想図、眺望、設備、面積などの販売説明は、契約書と添付資料にどう反映されているかを確認します。計画変更、遅延、解除、返金に関する条項も読み、営業上の説明だけで判断しません。完成後にどの権利が誰の名義で登録されるかを、契約前から明確にします。

freeholdの保有中に生じる義務

期間制限のない所有権でも、建物の管理規約、サービスチャージ、施設利用、改装、賃貸などに関する義務や制限がなくなるわけではありません。所有権の期間と、共同住宅を維持するための規則・費用は別に確認します。

連絡先の変更、抵当の設定・解除、売却、相続など、権利の状態が変わる場合はDLDへの手続きを確認します。購入時のTitle Deedを保管するだけでなく、現在の登録状態と一致しているかを必要な場面で照合してください。

まとめ

確認結果は「freeholdと説明された」という表現で終わらせず、確認した指定区域、物件識別情報、登記される権利名、名義人、確認日を一組で記録します。候補を比較するときも、この条件が一致する物件同士で価格や収支を比べてください。区域や登記を確認できない段階では、申込みや送金を急がないことが重要です。 確認に使った公式ページのURLと資料の発行主体も残しておくと、更新時に同じ条件を再確認できます。

freeholdは、期間制限のない不動産所有権です。外国人はドバイの指定区域で取得できますが、確認単位は地区名ではなく、対象区画・物件・権利・登記です。leaseholdやusufructと区別し、DLDのProperty RegisterとTitle Deedで権利内容を確認したうえで、費用、賃貸、管理、売却の判断へ進んでください。