Ejariは、ドバイの賃貸契約を登録する仕組みです。署名済みの賃貸契約書そのものと、登録後に発行されるe-Contract Registration Certificateは同じ資料ではありません。契約内容を確定し、正しい申請者・チャネルで登録し、発行物を物件と契約期間へ対応させる必要があります。
この記事では2026年9月1日にDLDの「Register / Renew Tenancy Contract」とEjari案内を確認し、個人の貸主・借主が迷いやすい点を整理しました。画面、料金、必要書類は変わり得るため、申請直前にはリンク先の公式表示を再確認してください。
Ejariが登録するものを先に理解する
Law No.26 of 2007第4条は、対象となる賃貸契約とその変更を登録する枠組みを示しています。Ejariは物件の所有権を移す手続きでも、貸主・借主の将来の履行を保証する制度でもありません。登録証明があることと、修繕や返金に関する争いがないことを区別します。
登録前に、物件、貸主、借主、用途、期間、賃料、支払方法が契約書で一致しているかを確認します。部屋番号や建物名の表記が資料間で異なる場合、都合よく同一物件と推定せず、所有者または管理者へ照会してください。
更新の場合は、新規契約と前回契約のどちらを提出するのか、変更された条件が何かを明らかにします。解約の場合は、契約期間が満了しているか、当事者の承認やNOCが必要な状態かを公式案内で確認します。
申請チャネルを貸主・借主・管理会社で分ける
DLDの公式案内は、Dubai REST、Ejari system、Real Estate Trustee Centre、物件管理会社などのチャネルを示しています。ただし、誰でもすべてのチャネルを同じ条件で使えるわけではありません。貸主が個人か会社か、管理会社が登録されているか、申請者が借主か代理人かで入口が変わります。
借主がDubai RESTから申請する場合、貸主側の承認が関係します。2026年9月1日に確認したDLDのキャンペーンページは、貸主が5日以内に承認しない場合に申請が自動取消しとなる案内を掲載しています。この日数は運用情報なので、将来も固定とみなさず申請画面で再確認してください。
Trustee Centreを使う場合も、物件が管理会社またはEjariアクセスを持つ所有者に管理されているかなど、サービス条件を確認します。近い窓口へ行けば必ず受け付けられると考えず、公式のセンター一覧と必要資料を先に確認します。
必要書類を申請者の立場ごとに揃える
DLDの現行サービスページでは、アプリ経由とTrustee Centre経由で必要資料の表示が異なります。アプリではUnified Tenancy Contractの写し、センターでは原本、申請者のEmirates ID、代理申請ならofficial Power of Attorneyなどが案内されています。
非居住者、法人、代理人が関わる場合は、個人同士のアプリ手順をそのまま当てはめないでください。代理権の対象が「物件管理」「賃貸契約」「登録」のどこまで含むかも確認します。委任状が存在するだけで、今回の行為を授権しているとは限りません。
提出前のチェック表には、書類名、名義、物件識別、契約期間、有効期限、原本提示の要否を入れます。パスポートと契約書で氏名表記が異なる場合も、黙って短縮名へ合わせず、公式窓口へ必要な対応を確認してください。
料金はチャネルと表示日をセットで記録する
2026年9月1日に確認したDLDページには、ウェブ・Dubai RESTとTrustee Centreで異なる料金内訳が掲載されています。しかし、この記事では将来の申請額を固定表示しません。料金はサービスパートナー費用やVATを含む内訳が変わり得るため、支払画面と公式サービスページを正本にします。
見積りを作るときは、政府手数料、knowledge fee、innovation fee、サービスパートナー費用、VATを分けます。総額だけを転記すると、チャネル変更や料金改定の際に差の理由を追えません。領収書も契約期間と物件に対応させて保管します。
仲介担当者へまとめて支払う場合は、何の費用か、誰が受領するか、公式手数料と代行費用が区別されているかを確認します。Ejari費用という一語で不明な請求を受け入れないことが大切です。
入力内容を契約書から一項目ずつ照合する
申請時は、所有者情報、借主情報、物件、契約開始日・終了日、賃料、支払条件を契約書と突き合わせます。前回データが自動表示されても、更新後の契約に変化がないとは限りません。自動入力を確認済みとみなさないでください。
アップロードするファイルは、全ページが読め、署名・添付条項が欠けていないことを確認します。画像の反射や切れで重要欄が読めない場合、審査側が推測して補うことを期待せず、明瞭なデータを用意します。
送信後は受付番号、申請日時、申請者アカウント、支払記録を保存します。差戻しがあった場合は、理由と再提出した版を残し、どのファイルが最終承認されたか分かるようにします。
発行証明を受け取った後に終わりの照合をする
DLDのサービス案内では、登録後の発行物としてe-Contract Registration Certificateが示されています。受領したら、証明書の物件、当事者、期間を最終契約と照合します。メールを受信しただけで内容まで正しいと決めないでください。
登録証明は、賃貸期間中に使う他の行政・生活サービスで求められることがあります。ただし、個々の提出先の要件はそれぞれ異なります。Ejariがあればすべての申請が承認されるという説明は避け、提出先の公式要件を確認します。
誤りを見つけた場合は、自分でPDFを書き換えず、DLDの公式チャネルで訂正・取消し・再申請のどれが必要かを確認します。記録の一貫性を保つことが、後の更新や紛争時の説明にも役立ちます。
更新と解約を次の契約へつなげる
更新時は、前回証明、更新契約、支払、更新後証明を一組にします。DLDキャンペーンページは最低契約期間に関する案内も掲載していますが、特殊な利用形態へ一般化せず、今回の契約が通常のEjari対象かを確認してください。
解約は、契約が有効期間中か満了後かで承認資料が異なる場合があります。2026年9月1日に確認した公式案内は、借主による取消しについて、有効期間中はNOCを用いるセンター手続き、満了後は貸主承認を要しない場合を説明しています。操作前に最新表示を再確認します。
解約証明または完了表示を保存し、鍵返却や保証金精算とは別に完了を確認します。ドバイ賃貸借法の基本も参照し、登録操作と当事者間の金銭・修繕問題を混ぜないでください。
問題が起きたら登録上の問題と契約争いを分ける
ログインできない、物件が表示されない、承認が進まないという操作上の問題と、貸主が合意を守らない、賃料や退去で争いがあるという契約上の問題は窓口が異なり得ます。問い合わせには受付番号と画面表示を示し、何を直してほしいかを具体化します。
契約争いに進む場合は、Ejari証明だけでなく、契約、通知、支払、物件状態の資料を揃えます。Rental Disputes Settlement Centreの対象を確認し、登録の完了を勝訴の保証として扱わないようにします。
Ejari実務の要点は、正しい契約を、権限のある申請者が、適切なチャネルで登録し、発行結果まで照合することです。各段階の証拠を残せば、更新・解約・照会で同じ情報を再構成しやすくなります。