アブダビで在留許可を持つ外国人は、配偶者、未婚の娘、25歳未満の息子、障がいのある子を扶養家族として呼び寄せ、在留許可を取らせることができます。条件の中心は収入で、ICPのページは月収AED 4,000、または雇用主が住居を支給している場合はAED 3,000としています。そのうえで、家族が住める広さの住まいと、結婚や出生を示す認証済みの書類が要ります。
先に1つ補足します。家族の在留は、それ単独で成り立つ資格ではありません。UAE政府ポータルは、家族の在留許可が扶養する家族の在留許可に結びついていると書き、ICPは家族の在留が扶養者の在留に合わせられ、それを超えられないとしています。扶養者の仕事や在留の区分が変われば、家族の在留もその影響を受けます。
この記事では、アブダビで家族の在留を扱う連邦の機関ICP(身元・国籍・税関・港湾保安庁)のサービスページ、UAE政府ポータルの家族の在留のページ、UAE外務省と駐日UAE大使館の認証の案内、アブダビ保健局(DoH)の発表で確かめた範囲を書きます。本人がどの区分で住むかを決める段階の話はアブダビ移住の基礎、日本の転出から在留届までの順番はアブダビ移住の手続きで扱っています。
呼び寄せられるのは、配偶者と子が中心です
ICPの在留許可の発行のページは、家族の区分を「外国人居住者の家族」と「UAE国民・GCC国民の家族」に分けています。日本から移る人が当てはまるのは前者です。ICPとUAE政府ポータルは、外国人の扶養者が呼び寄せられる家族を同じ言葉で並べています。
| 家族 | 公表ページの書き方 | 注意 |
|---|---|---|
| 配偶者 | spouse | 夫が妻を、妻が夫を扶養する場合の違いは、確認したページには書かれていません |
| 娘 | unmarried daughters(未婚の娘) | 年齢の上限は書かれていません |
| 息子 | sons under 25 years old(25歳未満の息子) | 25歳になったあとの扱いは、確認したページには書かれていません |
| 障がいのある子 | children with special needs | 障がいを証明する書類が提出書類に挙がっています |
| 1親等の親族(グリーンの在留を持つ人だけ) | first-degree relatives | 両親が含まれるかなど、範囲の定義はページに書かれていません |
表のいちばん下の行は、扶養者の区分によって変わる部分です。ICPとUAE政府ポータルは、グリーンの在留を持つ人は1親等の親族も扶養できると書いています。就労ビザの人がこの行に当てはまるとは書かれていません。
両親を呼び寄せたいと考える人は多いはずですが、外国人居住者の家族として並んでいるのは配偶者と子だけです。給与がいくら以上なら両親を扶養できる、といった数字を載せている解説は見つかりますが、この記事で確認したICPとUAE政府ポータルのページには、その数字は書かれていませんでした。当サイトは、確かめられない金額を条件として書きません。両親について検討するなら、ICPに自分の区分での扱いを問い合わせてください。
ゴールデンの在留を持つ人の家族の扱いは、別のサービスとして案内されています。この記事では扱っていません。
収入の条件は、住居の支給があるかどうかで分かれます
ICPのページの条件は、雇用主が住居を支給している場合は月収AED 3,000、支給されていない場合はAED 4,000です。UAE政府ポータルは同じ内容を、職種にかかわらず、月収AED 4,000、またはAED 3,000と住居があれば家族を扶養できる、と書いています。
ここで言う住居は、雇用主が住まいを用意している状態を指します。ICPの書き方は「employer-provided housing」で、自分で借りた部屋はこちらに入りません。自分で借りている人は、AED 4,000の側で判断することになります。
ICPは、収入とは別に住まいについての条件も置いています。家族のための十分な住まいを、物件の広さに見合う形で確保していることで、持ち家でも賃貸でもよいと書かれています。何人ならどの広さが要るのかという基準は、ページにはありませんでした。
この住まいの条件は、提出書類にも表れます。ICPの提出書類には水道・電気の請求書(Water/Electricity Bill)が入っています。つまり、住まいの契約と公共料金の開設が終わってから、家族の申請に進む順番になります。アブダビで借りた契約はTawtheeqに登録してから水道と電気を開設するため、借り方の流れはアブダビの賃貸契約で確かめてください。住まいの費用の水準はアブダビの生活費でまとめています。
収入の証明として挙がっているのは、家族の月収を示す雇用の証明書(Employment certificate)です。フリーランスや投資家など、雇用されていない人がどの書類で収入を示すのかは、ICPのページには書かれていませんでした。
日本の結婚・出生の書類は、2つの国の外務省を通します
家族であることの証明について、ICPのページは認証済みの婚姻契約書(attested marriage contract)と子の出生証明書を挙げています。日本で発行された書類をそのまま出すのではなく、認証を受けてから出すという意味です。
駐日UAE大使館の認証の案内は、受け付ける書類の前提として、日本の外務省の証明を受けていることを求めています。出生・婚姻・死亡の証明書のような公的な証明書は原本を出し、ラミネートした書類は認証できないとしています。
駐日大使館の案内にある申請の流れは、次のとおりです。UAE Passのアカウントを作り、発行国に日本を選んでオンラインで申し込み、支払いをします。そのうえで、書類の写しをメールで送り、原本を領事の受付時間(月曜から金曜の9:30〜11:30、または13:30〜15:30)に大使館へ持参します。処理は多くの場合2〜3営業日で終わると書かれています。大使館の認証とUAE外務省の認証は、この1つの申請で付くとされています。
UAE外務省の認証のページは、国外で発行された書類の要件として、アラビア語か英語の原本、または法的に認められた翻訳を添えたものを挙げています。日本語の書類にどの段で翻訳を付けるのか(日本で翻訳して一緒に認証を受けるのか、UAEで翻訳するのか)は、大使館の案内には書かれていませんでした。書類を用意する前に、大使館に確かめてください。
認証の手数料は、駐日大使館の案内にもUAE外務省の認証のページにも、確認した範囲では金額が載っていませんでした。日本の外務省の証明については、外務省のページを自動で取得できなかったため、手数料や受付の方法をこの記事では書いていません。
順番の面で大事なのは、この認証は日本にいるうちにしか進められないことです。原本を東京の大使館へ持参する段があるため、扶養者が先にアブダビへ移り、家族が後から来る場合でも、書類の認証は日本側で済ませておく必要があります。家族が入国したあとは、次に見るとおり60日の期限が始まります。
提出書類と手数料は、ICPのページに並んでいます
ICPのページの「外国人居住者の家族」の区分に並ぶ提出書類を、どこで用意するものかと合わせて並べます。
| 提出書類(ICPの表記) | 用意する場所 | この記事での補足 |
|---|---|---|
| Passport(旅券) | 日本 | 残りの有効期間が6か月以上あること |
| Personal Photo(写真) | どちらでも | 規格はこの記事では確認していません |
| Proof of kinship(親族関係の証明) | 日本で認証 | 認証済みの婚姻契約書、子の出生証明書 |
| Birth certificates(子の年齢の証明) | 日本で認証 | 障がいのある子は、その証明書類 |
| Employment certificate(雇用の証明書) | アブダビ | 家族の月収を示すもの |
| Water/Electricity Bill(水道・電気の請求書) | アブダビ | 住まいの契約と公共料金の開設のあと |
| Valid health insurance(有効な医療保険) | アブダビ | 家族それぞれの分 |
同じページにある手数料は、申請AED 100、発行1年あたりAED 100、スマートサービスAED 100です。ほかに「Status Adjustment」としてAED 500が載っています。どのような場合にこの500がかかるのかは、ページに説明がありませんでした。処理期間は2日と書かれ、在留の発行が通知されたあと、Emirates IDのカードが認可された配送業者から届けられるとされています。
発行の手数料が1年あたりで書かれているため、何年分の在留が出るかで合計が変わります。その年数の上限を決めるのが、次の節の「扶養者の在留」です。
家族の在留は、扶養者の在留を超えられません
ICPは、家族の在留は扶養者の在留に合わせられ、それを超えることはできないとしています。UAE政府ポータルも、家族の在留許可が扶養する家族の在留許可に結びついていると書いています。
図の左端にあるのが、家族が入国してからの期限です。ICPのページは、在留の手続きを終えるために入国した日から60日を超えて滞在しないことを条件にしています。家族が入国したら、健康診断、医療保険、申請をこの60日のうちに進めます。
右端の猶予期間について、UAE政府ポータルは、扶養家族には、在留が期限切れまたは取り消しになった日から6か月の猶予期間が与えられ、その間に新しい在留許可を得ると書いています。
ここから言えることは、扶養者の在留の残りの期間が、家族の在留の年数を決めるということです。扶養者の在留が残り少ない時期に家族を呼び寄せると、家族の在留も短くなります。扶養者の在留が取り消されたときに、家族の在留が同じ日に取り消されるのかどうかは、確認したページには書かれていませんでした。転職や退職を考えている扶養者は、家族の在留がどうなるかを雇用主とICPに確かめてから動いてください。
健康診断と医療保険は、家族の分も必要です
健康診断について、UAE政府ポータルは、扶養される家族のうち18歳以上の人は、男女とも、承認された医療施設で健康診断を受けて合格する必要があると書いています。同じページは、アブダビの施設としてDisease Prevention and Screening Centerへのリンクを置いています。予約の方法や、結果が出るまでの日数は、このページには書かれていませんでした。
医療保険は、ICPの提出書類に「Valid health insurance」として入っています。アブダビでは、保険が在留の手続きのためだけでなく、住み続けるあいだずっと必要です。アブダビ保健局(DoH)の発表は、Health Insurance Law No. 23/2005 とその改正・施行規則のもとで、扶養者は扶養家族の医療保険を有効な状態に保たなければならないことを前提に書かれています。そのうえで、医療保険に入っていない人には保険のない月1か月ごとにAED 300の罰金がかかるとしています。
同じ発表は、扶養者が違反にならない例外として3つの場合を挙げています。扶養されている人の逃亡が届け出られた場合、扶養者が亡くなり公式の死亡証明書が関係機関に共有された場合、そして有効な在留を持たずにアブダビに不法に住んでいる場合です。家族を呼び寄せる通常の場面では、どれにも当てはまりません。
本人の医療保険を雇用主が負担していても、家族の分まで負担されるとは限りません。雇用契約で家族の保険がどう扱われているかは、呼び寄せを決める前に確かめてください。保険料の水準や補償の範囲は、DoHの発表には書かれていないため、この記事では扱いません。
この記事で確認できなかったこと
第一に、両親を呼び寄せる場合の条件です。確認したICPとUAE政府ポータルのページでは、外国人居住者の家族として並んでいるのは配偶者と子で、グリーンの在留を持つ人だけが1親等の親族を扶養できると書かれています。1親等の範囲と、それ以外の区分で両親を扶養する条件は確かめられませんでした。
第二に、手数料のうち「Status Adjustment」AED 500がどの場合にかかるかです。ICPのページに説明がありませんでした。
第三に、書類の認証にかかる費用と、日本語の書類の翻訳をどの段で付けるかです。駐日UAE大使館とUAE外務省のページに金額と翻訳の段の記載がなく、日本の外務省のページは取得できませんでした。
第四に、雇用されていない扶養者(フリーランス、投資家など)が収入を示す書類と、家族の人数に対して必要な住まいの広さの基準です。
第五に、扶養者の在留が取り消されたとき、家族の在留が同じ日に取り消されるかどうかです。猶予期間が6か月あることだけが書かれていました。