ドバイ不動産がおすすめの理由の一つに「イスラム教が緩く、外国人も暮らしやすい」というものがあります。今回は、ドバイのイスラム教について解説します。
目次
イスラム教とは
イスラム教とは
イスラム教は、キリスト教・仏教と並ぶ世界三大宗教のひとつで、キリスト教に次ぐ世界第2位の信者数約19億人(世界人口の約25%)を誇る宗教です。誕生は、西暦610年で、現在のサウジアラビアにあるマッカ(正式名はマッカ・アル=ムカッラマ) 郊外で預言者ムハンマド(570年頃~632年)が神の啓示を受けたことからはじまりました。
イスラムという言葉は、アラビア語で「神の教えに帰依すること」を意味しています。
信仰の対象は、ただひとつの神である「アッラー」であり、唯一絶対神を信仰する宗教を「一神教」と呼びます。そして、アッラーの言葉を直接受け取ることが出来るのは、ムハンマドだけです。イスラーム教において、ムハンマドは「最終にして最高の預言者」と位置づけられています。
「イスラム教」とは、アラビア語のالإسلام(イスラーム)という言葉が英訳表記された「Islam」に由来するものです。近年、研究者を中心に、アラビア語の長母音をより厳密に反映した「イスラーム教」という表記が好んで使われるようになっています。
イスラム教は、その定めに則って行うべき行為として、単に宗教上の信仰生活のみを要求しているのではなく、イスラム国家の政治のあり方、ムスリム間やムスリムと異教徒の間の社会関係にわたるすべてを定めているという考え方があり、イスラム教とは、単なる宗教の枠組みに留まらない、ムスリムの信仰と社会生活のすべての側面を規程する文明の体系であると理解されています。
イスラム教の教えとムスリム
イスラム教(イスラーム教)を信仰する人 = ムスリム
と呼びます。
イスラム教の信仰
イスラム教では、冠婚葬祭の教え、食事、礼拝の決まり事、人間の生活全般に係わる規範が存在します。規範は、ムハンマドの言行録である「ハディース」に記載されています。
「六信五行」はムスリムの生活の基本となる考えと行動です。ムスリムは信ずべき6つの信仰箇条(六信)と5つの義務(五行)が定められています。ムスリムが禁じられた食品を避けることや礼拝の作法を守ることも、すべては信仰の実践にあたります。
(六信)
- 1) アッラー(唯一絶対の神)
- 2) 天使(神の使い)
- 3) 啓典(クルアーン:神の声の記録)
- 4) 預言者(神の言葉を伝える人)
- 5) 来世(復活や死後の生命)
- 6) 天命(神が定めた運命)
(五行)
- 1) 信仰の告白(神を信じることを声に出す)
- 2) 礼拝(1日5回お祈りをする)
- 3) 喜捨(富める者は貧しい者に与える)
- 4) 断食 サウム(イスラム暦9月の1ヶ月間日中の飲食を断つ)
- 5) 巡礼(一生に一度は聖地へ行く)
イスラム教の教えと生活規範
食事
- 豚肉を口にすることは許されていません
- アルコール飲料を口にすることは避けるべきとされています
- 鶏肉や牛肉は食べることができますが、イスラム教にはと畜の方法に決まりがあり、イスラム教が許容すると畜方法で処理された肉(ハラール肉)以外は口にすることができません。
- 食事の際は右手を使う
- その他、禁止されている食材(豚、アルコール、血液、宗教上の適切な処理が施されていない肉、うなぎ、イカ、タコ、貝類、漬け物などの発酵食品)
礼拝
- 夜明け前、昼、午後、日没時、夜と1日に5回5分程度の礼拝を行う。正確な時間は、場所や日の出・日の入りの時刻により毎日異なる
- イスラーム教の聖地である「メッカ:カーバ神殿」の方角を向いて礼拝を行う
生活全般
- 異性との接触は望ましくない
- 犬になめられると汚れると考えている
- 賭け事・ギャンブルが禁止
- 偶像崇拝(アッラーを絵や像などにすること)
- 左手を使う
- イスラーム教の聖典「コーラン(クルアーン)」は非常に神聖なものとされており、丁寧に扱う
- 金曜日が集団礼拝の日として休日
服装
- 男女ともに体の露出を少なくする
- 女性は、顔と手以外を隠し、近親者以外には目立たないようにしなければならない
断食月(ラマダーン)
- 一年に一度、夜明けから日の入りまで断食をするという習慣があります。断食は約30日間続き、この期間を断食月(ラマダーン)と呼びます。断食月はイスラム暦(ヒジュラ暦)で計算されるため、毎年異なります。
イスラム教徒の数
2010年時点で、イスラム教徒(ムスリム)はキリスト教徒(21.7億人)に次ぐ16億人(世界総人口比23.4%)を数え、2020年には19億人(同24.9%)、2030年には22億人(同26.4%)に達する見込みとなっており、2070年にはキリスト教と並び世界で最も信者数の多い宗教となる見込みです。
ドバイは、イスラム教が緩く、外国人も暮らしやすい
イスラム教は、宗教上の信仰生活のみを要求しているのではなく、イスラム国家の政治のあり方、ムスリム間やムスリムと異教徒の間の社会関係にわたるすべてを定めている
という考え方があり、
国によっては、国のルール自体がイスラム教を遵守しているケースがあるため
イスラム教と関係のない人にとっては
- イスラム教が厳格な国に行くのは怖い
- イスラム教が厳格な国で暮らすのは大変
と感じる方も少なくありません。
一般的には、イスラム教が厳格な国ほど、非イスラム圏の企業や人々にとっては、宗教に十分に配慮した事業推進、例えばハラールへの対応や従業員の信仰への理解が必須となるからです。
イスラム教の厳格さと経済規模
このグラフを見ると
UAE(アラブ首長国連邦)でも
- ドバイ・ラスアルハイマ → イスラム教が民法・刑法ともに適用なしで緩い
- ドバイ・ラスアルハイマ以外 → イスラム教が民法・刑法ともに適用されて厳しい
と大きく違っているのです。
ドバイでは、外国人観光客・外国企業・外国人移住者・外国人労働者を集めた観光業が主要産業です。
当然、イスラム教を緩くしなければ、外国資本は集まらないことを理解しているため、イスラム教を緩く設定しているのです。
実際にドバイでは、イスラム教徒でない外国人であれば
- レストランやホテルでお酒も出てくる
- 豚肉料理も食べれる
- ショッピングモールでも、露出が高い服(ノースリーブやホットパンツ、ワンピース)を女性もきている
- カジノができる
- 男女の婚前交渉もできる
と、とくに不自由なく、移住も、観光も、できるのです。
禁止されている、ムスリムに配慮しなければならないことは
- 公共の場で、男女がイチャイチャする
- 公共の場で、ひどく酔っぱらう
- モスクに行くなら静かにする
ぐらいです。
ドバイは、イスラム教が緩いからこそ、世界中の富裕層が移住したり、投資をしたりすることができるので、不動産価格も上昇しやすいのです。
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