日本人の生活/解説

ドバイの日本人|UAEの在留邦人5,300人の内訳と読み方

UAEの在留邦人は2025年10月1日現在で5,300人、1年で11.0%増えました。うち95.6%が長期滞在者で永住者は232人です。数字が在留届から作られる仕組みと、日本の免許の交換条件まで公表資料で確かめます。

ドバイに日本人がどれくらい住んでいるのかを調べると、資料によって数字がばらつきます。元をたどると、ほとんどが同じ統計の別の表か、別の年のものです。公表されている一次情報は1つで、外務省が毎年つくる「海外在留邦人数調査統計」です。最新版(令和7年)によると、アラブ首長国連邦の在留邦人総数は5,300人で、前年比は11.0%増でした。基準日は2025年10月1日です。

ただし、この数字をそのまま「ドバイに住む日本人の数」として読むと2か所で外れます。1つは範囲です。当サイトが機械で読み出せた統計表は国・地域ごとの集計で、ドバイだけを切り出した行は入っていません。もう1つは数え方です。この統計は在外公館へ提出された在留届を基礎資料にした推計で、届を出していない人は入りません。つまり、現地にいる日本人の全数ではなく、少なめに出る方向の数字です。

この記事では、公表値をそのまま並べたうえで、内訳(永住者と長期滞在者)が何を意味するのか、数字がどう作られているのか、そして日本人であることで扱いが変わる手続き(居住ビザの維持、日本の運転免許証の交換、日本の課程で学べる学校)までを、政府が公開している資料だけで確かめます。確認日は2026年11月4日です。移住の手続きそのものの順番はドバイ移住の基礎、毎月の費目はドバイの生活費にまとめています。この分野の入口はドバイ移住です。

公表値は5,300人。前年から11.0%増えています

項目 2025年10月1日現在 前年比
在留邦人総数 5,300人 +11.0%
長期滞在者 5,068人(全体の95.6%) +10.5%
永住者 232人(全体の4.4%) +24.1%
成人数 4,019人 統計に増減率の記載なし

表の数字は、e-Statで公開されている統計表のCSVに載っている値です。割合(全体比)と前年比も当サイトが計算したものではなく、統計の側に列として用意されている公表値です。再現したい場合は、e-Statの「海外在留邦人数調査統計」から令和7年(2025年)の統計表を開き、国名が「アラブ首長国連邦」の行を見てください。

増え方が速いことは、この表の中でいちばんはっきりしている事実です。総数が11.0%増、永住者は24.1%増です。ただし永住者の母数は232人なので、数十人の動きで二桁の増減率になります。率の大きさを人数の大きさと読み替えないでください。永住者について言えるのは「増えてはいるが、依然として全体の4.4%にとどまる」ところまでです。

「成人数」は統計の表章項目の1つで、4,019人と出ています。年齢の区切り(何歳以上を成人とするか)は、当サイトが原本で確認できていません。総数との差が家族の帯だと決めつけられないので、この記事では差を計算していません。学齢期の子どもの数を知りたい場合は、人数の統計ではなく学校側の在籍者数を見るほうが近道です。

アラブ首長国連邦の在留邦人数について、2025年10月1日現在の公表値を数値カードと構成帯で示した図。在留邦人総数は5,300人で前年比は11.0%増。長期滞在者は5,068人で全体の95.6%、前年比は10.5%増。永住者は232人で全体の4.4%、前年比は24.1%増。構成帯は長期滞在者95.6%と永住者4.4%の比に合わせている。成人数は4,019人で統計の表章項目のひとつ
上段の3枚が公表値、中段の帯がその比です。永住者の帯が細いのは割合に合わせているためで、デザイン上の都合ではありません。成人数の行は、年齢の区切りを原本で確認できていないため、総数との差を書いていません。 出典:e-Stat|外務省「海外在留邦人数調査統計」令和7年(確認日 2026-11-04)

95.6%が長期滞在者である理由は、UAEの在留の仕組みにあります

内訳を見ると、5,068人が長期滞在者で、永住者は232人です。この偏りは、日本人がUAEに定住しないという話ではなく、UAEの在留の仕組みから来ています。UAE政府のポータル(u.ae)が公表している居住ビザの一般規定を見ると、理由がはっきりします。

居住ビザの期間は、スポンサーが付くものが1年・2年・3年、スポンサーが付かないものが最長5年または10年です。18歳以上の申請者には健康診断と安全保障上の審査があり、連邦身分・市民権・関税・港湾保安庁(ICP)からEmirates IDを取得します。取り消せるのはスポンサーだけで、失効後も最長6か月の猶予が認められると書かれています。

実務でいちばん効くのはここです。居住者がUAEの外に連続して180日を超えて滞在すると、居住ビザは自動的に無効になります(外交官の家族、患者、学生などの例外があります)。日本と行き来しながら住む計画を立てるときは、滞在日数の管理が在留資格の管理と同じことになります。

つまり、UAEでの在留は期限のある許可を更新し続ける形です。年単位の更新が前提で、しかもスポンサーや投資の条件にひもづいています。統計の「永住者」が4.4%にとどまるのは、この構造が数字に出たものと読めます。投資にもとづく長期の在留資格についてはドバイのゴールデンビザと不動産、医療保険の義務についてはドバイの健康保険にまとめています。

UAE政府ポータル(u.ae)の居住ビザの一般規定を説明するページの表示
引用キャプチャこの節で引用した居住ビザの一般規定が書かれているUAE政府のページです。スポンサー付きが1年・2年・3年、スポンサーなしが最長5年または10年、18歳以上の健康診断と安全保障上の審査、Emirates IDの取得、国外に連続180日を超えると自動的に無効になること、取り消せるのはスポンサーだけで失効後6か月の猶予があることが、ここに書かれています。永住権や国籍の取得については、このページには書かれていません。 出典:UAE Government(u.ae)|General provisions for the residence visa(本文の確認日 2026-11-04/この画面の取得日 2026-09-22・当サイトが別記事のために取得したもの)

中東では最も多く、増えているのはUAEとカタールです

同じ統計の中で、地域区分が「中東」になっている国を並べると、UAEの位置がはっきりします。2位のトルコ(1,754人)の約3倍で、湾岸のサウジアラビア(718人)やカタール(702人)の7倍台です。

統計の地域区分で中東に入る国ごとの在留邦人総数を横棒で並べ、右端に前年比を添えた図。アラブ首長国連邦5,300人は前年比11.0%増、トルコ1,754人は0.1%減、イスラエル1,010人は2.9%減、サウジアラビア718人は8.6%増、カタール702人は12.5%増、イラン327人は4.1%増、ヨルダン212人は8.2%減、バーレーン188人は0.5%増、クウェート142人は15.5%減、オマーン97人は10.2%減
棒の長さは在留邦人総数に比例させ、右端に統計の前年比をそのまま添えています。符号つきで示しているのは、色だけで増減を伝えないためです。エジプトはこの統計で「アフリカ」に区分されるため、同じ図に入れていません(757人、5.8%減)。 出典:e-Stat|外務省「海外在留邦人数調査統計」令和7年(確認日 2026-11-04)

前年比の向きが分かれているのも読みどころです。二桁で増えているのはUAE(11.0%増)とカタール(12.5%増)だけで、クウェート(15.5%減)、オマーン(10.2%減)、ヨルダン(8.2%減)は減っています。トルコ(0.1%減)とイスラエル(2.9%減)も減少側です。中東全体が増えているのではなく、湾岸の一部に寄っているという形です。

永住者の比率は国ごとにまるで違います。イスラエルは1,010人のうち永住者が725人で、全体の71.8%にあたります。イランは60.6%、クウェートは44.4%、トルコは38.6%です。いっぽうカタールは2.3%、UAEは4.4%です。同じ「在留邦人」という言葉でも、構成はまったく別物です。湾岸の数字は雇用や事業にひもづく滞在が中心で、永住にもとづく滞在は少ないという読み方になります。

アジアの移住先と比べると、桁が2つ違います

国・地域 在留邦人総数 うち永住者の割合 前年比
オーストラリア 105,566人 61.7% +1.4%
中国 92,928人 7.1% −4.7%
タイ 72,113人 3.8% +2.4%
シンガポール 33,397人 14.5% +2.6%
マレーシア 19,690人 9.0% −1.7%
アラブ首長国連邦 5,300人 4.4% +11.0%

この表は期待値を調整するために置いています。UAEは、日本人が多い移住先と比べると2桁小さい規模です。日本語で完結するサービスの層の厚さは、おおむね在留者の数についてきます。ドバイを「日本人が多いハブ都市」として想像していると、着いてから想定が外れます。

いっぽう、増え方だけはこの表の中でいちばん速いです。オーストラリアやシンガポールが数パーセントの動きなのに対し、UAEは11.0%増です。中国とマレーシアは減っています。規模は小さく、傾きは大きい、というのがこの統計から言えることです。

数字の使い方としては、ここまでにしておきます。在留邦人が増えていることは、不動産の値上がりや賃料の上昇を意味しません。市場の動きは市場のデータで見るもので、ドバイの市場データに取引と賃料の集計を置いています。当社は値上がり・賃料収入・利回りのいずれも保証しません。

この数字は「在留届」を集めて作られています

数字の性質を押さえておくと、他の情報と突き合わせるときに迷いません。この統計の土台は在留届です。e-Statの説明には、海外在留邦人の実態を把握することを目的とし、在外公館(大使館・総領事館・領事事務所)に提出された在留届を基礎資料として、毎年10月1日時点の邦人数を推計していると書かれています。海外における邦人の保護や領事政策の立案に使う基礎資料という位置づけです。

届出の根拠は旅券法です。旅券法第16条は、旅券の名義人で外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する者は、外務省令で定めるところにより、当該地域に係る領事官に届け出なければならないと定めています。義務の対象が3か月以上の滞在者なので、短期の滞在者は集計の土台に入りません。

在留邦人数の統計ができるまでの4段の流れを示した工程図。1段目は届出の義務で、旅券法第16条により、外国に住所または居所を定めて3か月以上滞在する旅券の名義人は領事官に届け出なければならない。2段目は在外公館への提出で、在留届が大使館、総領事館、領事事務所へ提出される。3段目は集計で、提出された在留届を基礎資料に、毎年10月1日時点の在留邦人数が推計される。4段目は公表で、国と地域ごとの在留邦人総数、長期滞在者、永住者がe-Statの統計表として公開される
届出から公表までを4段に分け、下段に「この数字に入る人」と「入らない人」を並べています。3段目が推計だと書いてあるのは、e-Statの説明の表記のままです。届出が土台なので、集計は現地にいる日本人の全数より少なめに出る方向になります。 出典:e-Gov法令検索|旅券法/e-Stat|海外在留邦人数調査統計(確認日 2026-11-04)

ここから、数字の扱い方が3つ決まります。第1に、年に1回しか動きません。基準日は10月1日で、令和7年の統計表が公開されたのは2025年12月26日です。月ごとの増減を知る手段は、この統計にはありません。第2に、推計値です。届出の記録を集計したもので、現地の人口調査ではありません。第3に、下振れする方向の誤差を持ちます。届を出していない人は数えられないので、実際に住んでいる人数はこれ以上になります。

なお、ドバイ単独の人数について。当サイトが読み出せたCSVの統計表には、国ごとの行しかありませんでした。同じ統計はEXCELとPDFでも公開されていますが、当サイトはこの2つの形式から本文を機械で読み出せていません。そのため、ドバイ市や在外公館の管轄ごとの人数は、この記事に書いていません。他のサイトに出ている都市別の数字を引き写すこともしません。必要な場合は、出典の欄のe-Statから統計表を開いて、ご自身で該当の表を確かめてください。

日本の課程で学べる場所として確認できたのは1校です

在留邦人の数と並んで気になるのが、日本語で使える施設です。公表資料で確かめられたものから挙げます。

文部科学省の「認定した在外教育施設の一覧」(確認日 2026年11月4日)には、UAEの全日制としてアブダビ日本人学校とドバイ日本人学校の2校が載っています。この認定は、国内の小学校・中学校・高等学校と同等の教育課程を有すると判断されたという意味で、卒業者は国内の高等学校や大学の入学資格を得られると説明されています。ドバイには日本の課程で学べる全日制の学校が1校あります。

ドバイ日本人学校の公式サイトは、所在をAl Wasl地区としています。入学の対象は、日本国籍の児童、両親のいずれかが日本人である児童、日本で生まれ育った児童のいずれかに該当する場合とされています。いっぽう学費・入学金・在籍者数の記載は、当サイトが2026年11月4日に見た範囲では公式サイトに見つけられませんでした。

学費の範囲と視察の評価は、ドバイの私立教育を所管する知識人材開発局(KHDA)の学校ディレクトリで1校ずつ確認できます。読み方と、学費の上げ幅がどこまで規制されているかはドバイの学費と学校評価にまとめました。この記事では学校の中身には入りません。ここで確認したのは「日本の制度につながる受け皿が1つある」という事実です。

日本の運転免許証は、交換の対象として表に載っています

RTAの表の欄 日本の行に表示されていること
Licence Origin(免許の発行元) Japan
Nationality(国籍) All countries
Licence Requires Translation(翻訳の要否) Yes/legalised
The Foreign Licence Must be Withdrawn(元の免許の引き上げ) No
Replaceable Categories(交換できる区分) 国ごとに異なるため、RTAの表で確認してください

ドバイの道路交通庁(RTA)には「交換にもとづいて新しい運転免許証を申請する、または区分を追加する」というサービスがあり、対象になる免許の発行元が国ごとの表で公開されています。日本はこの表に載っています。当サイトが2026年11月4日に確認した日本の行は、翻訳が必要(Yes/legalised=公認された翻訳)で、元の免許を引き上げる必要はないという表示でした。

いちばん見落としやすいのは「Nationality」の欄です。日本の行は All countries になっています。免許の発行元が日本であれば、持っている人の国籍を問わず対象になるという意味です。日本で免許を取った人にとっては、国籍よりも免許の発行元が効く、という読み方になります。

料金は、サービスのページに項目ごとに出ています。Traffic File が200 AED、Driving Licence が600 AED、Handbook manual が50 AED、Eye Test Centres での電子視力検査が180 AED、Knowledge and Innovation が20 AED で、合計1,050 AEDと表示されています。必要なものとして、有効なEmirates ID、有効な電子視力検査、日本の免許の原本と公認された翻訳が挙げられています。交換できる区分(Replaceable Categories)は国ごとに違い、当サイトの読み取りで表示が一度に定まらなかったため、ここには書いていません。免許の区分は人によって結果が変わる項目なので、RTAの画面で自分の区分を直接確かめてください。

費目としての位置づけはドバイの生活費の側です。ここで押さえるのは、日本の免許が「試験なしの交換」の経路に乗っていることと、翻訳の手配が前提になることの2点です。

この記事で確認できなかったこと

書けなかったものを残しておきます。あとから埋めるためです。

  • ドバイ市だけの在留邦人数。国ごとの統計表には入っていません。EXCELとPDFの側は、当サイトが機械で本文を読み出せていません
  • 在ドバイ日本国総領事館の窓口の情報(所在地・受付時間・管轄)。同館のサイトは、当サイトの自動取得を拒否しました。迂回はしないので、窓口の情報はこの記事に書いていません
  • 日本語で受診できる医療機関、日本語が使える行政サービス、日本食材店の一覧。政府機関の公表資料で確認できるものが見つかりませんでした。民間のまとめ記事は当サイトの出典の基準に入りません
  • 「成人数」の年齢の区切り。統計の表章項目にはありますが、定義の原文を読み出せていません

在留届そのものの手続き(提出の方法、帰国時の届、日本側の転出届との順番)は、同じ内容がアブダビでも使えるためアブダビ移住の手続きに時系列でまとめています。日本を離れたあとの課税上の扱いはドバイ不動産と日本の税金の側です。

次に確かめるとよいもの

数字の確認は、次の順番で進めると手戻りがありません。

  1. 規模の確認。e-Statの統計表で、アラブ首長国連邦の行を自分で開く。基準日(10月1日)と版(令和7年)を必ず一緒に記録する
  2. 在留の条件の確認。u.ae の居住ビザの一般規定で、期間・更新・連続180日の規定を読む。日本と行き来する計画なら、ここが制約になります
  3. 個別の手続き。学校はKHDAの画面、免許はRTAの表、保険はドバイの健康保険、住まいの契約はドバイの賃貸契約の更新

在留邦人が5,300人という規模は、日本語の環境を前提にできる水準ではありません。いっぽう、年11.0%増という傾きは、この統計の中で湾岸の2か国にだけ出ている動きです。どちらも同じ表から読める事実なので、片方だけを根拠にしないでください。