日本の運転免許を持ってドバイに移る場合、教習所に通い直す必要はありません。RTA(ドバイ道路交通庁)が公表している交換対象国の一覧に Japan の行があり、その行には交換できる区分として All categories と書かれています。必要書類は、ドバイのビザを持つ居住者なら有効な Emirates ID、有効な電子視力検査、交換対象国で発行された原本の運転免許証の3点です。手数料の合計は AED 1,050 で、処理時間は Instantly と記載されています。
ただし、「交換」という言葉から想像しがちな2つのことは、公表された条件とずれています。1つめは、日本の免許を差し出すわけではないという点です。一覧の列には The Foreign Licence Must be Withdrawn という欄があり、日本の行はここが No になっています。2つめが重要で、逆方向はまったく同じ扱いになりません。帰国してUAEの免許を日本の免許へ替えようとすると、警視庁が示す知識確認・技能確認の免除対象の一覧にアラブ首長国連邦は挙げられておらず、確認を受けることになります。行きは書類で済み、帰りは済まない、という非対称があります。
この記事では、ドバイ側の条件を一覧の実際の列に沿って読み、必要書類・手数料・有効期間を数字で押さえたうえで、帰国時の条件の違いまでを通して見ます。確認日は2026年11月6日です。移住手続き全体の順番はドバイ移住の基礎、この分野の入口はドバイ移住にあります。
ドバイ側は「対象国の一覧に載っているか」で決まります
RTAのサービス名は「Apply for a New Driving Licence or a New Category Based on Exchanging Licences」です。名前のとおり、免許を新しく取るのではなく、すでに持っている免許を根拠に発行してもらう手続きです。前提として「The Driving Licence to be exchanged must be valid.」と書かれており、期限の切れた免許は対象になりません。
一覧は国ごとに行が分かれ、列は5つあります。Licence Origin(どこで発行された免許か)、Nationality(どの国籍の人が使えるか)、Licence Requires Translation(翻訳が必要か)、The Foreign Licence Must be Withdrawn(原本を引き上げられるか)、Replaceable Categories(どの区分を交換できるか)です。日本の行は次のようになっています。
| 列 | 日本の行の記載 | 読み方 |
|---|---|---|
| Licence Origin | Japan | 日本で発行された免許が対象です |
| Nationality | All countries | 日本国籍でなくても、日本発行の免許なら使えます |
| Licence Requires Translation | Yes/legalised | 翻訳が必要で、認証を受けたものが求められます |
| The Foreign Licence Must be Withdrawn | No | 日本の免許の原本は引き上げられません |
| Replaceable Categories | All categories | 区分の制限が付いていません |
Nationality が All countries になっているのは、見落とされやすい条件です。免許の発行地と国籍を別の列で管理しているため、国籍ではなく「どこで発行された免許か」で判定されます。日本に住んで日本の免許を取った外国籍の人も、この行の条件で読むことになります。逆に、日本国籍でも日本以外で発行された免許を持っている場合は、その発行国の行を見ます。
一覧には、交換の対象にならないものも並んでいます。Guam、Jersey、Liechtenstein、Monaco、North Mariana、Puerto Rico、Andorra が、交換できないものとして挙げられています。つまりこの一覧は「載っていれば交換できる」というだけの表ではなく、載っていなければ教習と試験から始めることを示す表でもあります。日本について確かめるべきことは、行の有無ではなく、上の5列の中身です。
翻訳について、RTAのページに書かれているのは Yes/legalised という記載だけです。どこで翻訳を取得し、どの機関の認証が必要なのかは、このページには書かれていませんでした。在ドバイ日本国総領事館のページは、この記事の作成時にアクセスが拒否されて内容を確認できなかったため、翻訳の取得先と費用はここに書きません。確認できていないことを書かないという方針です。
必要書類は3点で、教習の修了は入っていません
RTAのページは、申請者の区分ごとに必要書類を分けています。ドバイのビザを持つ居住者は、有効な Emirates ID、有効な電子視力検査、交換対象国で発行された原本の運転免許証の3点です。ほかの首長国のビザを持っている場合は、これに Trade Licences の写し(ドバイと発行元の首長国の両方)と、勤務先を確かめる書類が加わります。外交官は、外交パスポートとその写し、原本の運転免許証、有効な電子視力検査、有効な外務省の書簡、有効な外交カードです。
注目したいのは、必要書類に教習の修了や試験の合格が1つも挙げられていないことです。UAE政府ポータルは、免許を新しく取る場合については「登録された教習機関で教習を受け、すべての試験に合格する」必要があると書いています。いっぽうで一部の居住者については「自国で発行された有効な運転免許証を交換できる」としており、2つを別の経路として並べています。交換の経路に教習が出てこないのは、この書き分けと整合します。
Emirates ID が1点目に来ているため、順番も決まります。UAE政府ポータルは、Emirates ID をすべてのUAE国民と居住者に申請が義務づけられたものとし、常時携帯することが法律上の要件だと書いています。Emirates ID は居住許可の手続きの中で申請するものなので、免許の交換は、居住許可が出てからの作業です。日本を出る前に終わらせられる手続きではありません。出国前に片づく手続きと現地でしかできない手続きの切り分けは、ドバイ移住の転出届でも同じ形で出てきます。
年齢の下限も確かめておきます。UAE政府ポータルは、原付や身体の状況に応じた車両が17歳、乗用車と軽車両が18歳、大型車とトラクターが20歳、バスが21歳としています。交換の申請については18歳以上と書かれています。
手数料は項目ごとに分かれています
RTAは合計額ではなく、項目ごとの金額を並べています。交換で免許を受ける場合と、すでに持っている免許に区分を足す場合で、内訳が違います。
| 項目 | 交換で免許を受ける | 区分を足す |
|---|---|---|
| Traffic File | AED 200 | - |
| Driving Licence | AED 600 | AED 200 |
| Handbook manual | AED 50 | - |
| Electronic eye test | AED 180 | AED 180 |
| Knowledge and Innovation | AED 20 | AED 20 |
| 合計 | AED 1,050 | AED 400 |
Traffic File(交通ファイル)と Handbook manual が、交換のときだけ乗っています。交通ファイルはドバイで免許や車両を管理する台帳で、最初の1回だけ開く扱いです。区分を足すときに AED 400 で済むのは、この2つが要らないためです。なお、区分を足す場合の有効期間は「残っている期間をそのまま引き継ぐ」と書かれています。
更新の手数料は別のサービスとして公表されています。21歳以上が AED 300、21歳未満が AED 100、これに Knowledge and Innovation の AED 20 が付きます。電子視力検査は AED 140 から AED 180 の幅で示されています。配送を使う場合は、標準が AED 20、当日配送が AED 35、2時間以内が AED 50 です。期限が切れて10年を超えた免許については、評価試験 AED 200、教習ファイル AED 200、学習アプリ AED 100、ハンドブック AED 50 が加わり、更新の遅れに対する罰金が最大 AED 500 と書かれています。
金額はAEDの公表値のまま載せ、円に換算していません。為替は毎日動くため、換算した数字を表に混ぜると、公表値と当サイトの計算値が見分けられなくなります。生活費全体の中でこの費用がどの位置にあるかはドバイの生活費で扱っています。
有効期間は、最初の1枚と更新後で違います
ここが数字の取り違えが起きやすいところです。交換で受ける1枚目の有効期間は、RTAの交換サービスのページに「21歳未満は1年、21歳以上は2年」と書かれています。いっぽうで更新のページには、21歳未満が1年、UAE国民とGCC国民の21歳以上が10年、居住者の21歳以上が5年と書かれています。最初の1枚は2年で、更新したあとは5年です。
更新できる時期も決まっています。21歳以上は期限の6か月前から、21歳未満は3か月前からです。更新の条件として、免許に付いている反則金をすべて精算していることが挙げられています。業務で運転する人は、RTAが認めた病院での医学的適合の検査が必要で、その検査の有効期間は11か月と書かれています。写真は Emirates ID のスキャナから自動で取り込まれます。
免許の有効期間と、滞在そのものの期間は別に動きます。免許が5年でも居住許可が2年なら、居住許可の更新のほうが先に来ます。どちらか短いほうに合わせて予定を立てるのが安全です。
交換が済むまでのあいだに運転できるか
ここは、公表ページで確かめられる範囲と確かめられない範囲が分かれます。確かめられるのは2つです。
1つは、UAE政府ポータルの記載です。訪問者の一部は「自国の運転免許証で運転する権利があり、ここに居住することになるならUAE発行の免許へ交換できる」とされ、Markhoos という取り組みの名前が挙げられています。文の作りが「訪問者として運転する」と「居住するなら交換する」の2段になっており、居住する人の最終形は交換であると読めます。
もう1つは日本側の記載です。警視庁が公表しているジュネーブ条約締約国等の一覧には、アラブ首長国連邦が注記付きで載っています。その注記は「2種類の国際運転免許証の発給を確認しており、そのうち、ジュネーブ条約の様式に合致しているものに限り日本で運転が可能となります」という内容です。これはUAEが発給する国際運転免許証を日本でどう扱うかの説明であり、日本の国際運転免許証でUAEのどこまで運転できるかを示したものではありません。
確かめられなかったのは、居住許可を受けた人が交換を済ませる前に日本の免許や国際運転免許証のまま運転してよいかという点です。この記事で確認した公表ページには、その期間の扱いが書かれていませんでした。レンタカー会社の案内や体験談は一次情報にしないという方針なので、ここは空欄のままにします。運転が必要な日程が決まっている場合は、RTAの窓口か勤務先の人事に直接確かめてください。
車そのものの登録については、UAE政府ポータルが別の案内を置いています。登録できるのはその車の所有者で、必要書類として所有を示す書類、Emirates ID の原本、電子の保険証券が挙げられています。登録前に、認定された検査場での検査が必要で、登録前の3年以内に製造された車は検査の対象外とされています。登録の手数料と更新の間隔は、このページには書かれていませんでした。
帰国してからは、同じようには戻せません
日本へ戻るときの手続きは、ドバイ側とは別の制度です。窓口は都道府県の警察で、ここでは警視庁の案内を見ます。
共通の要件は滞在期間です。警視庁は「外国等で運転免許を取得後、その国等に通算して3か月以上滞在していた方」を対象としています。警察庁も同じ条件を示し、滞在を証明する資料として旅券の出入国証印などの提出を求めています。免許を取ってすぐ帰国した場合は、この要件を満たしません。ドバイで免許を交換した日と帰国の日の間隔は、記録として残しておく値になります。
分かれ目は、知識確認と技能確認です。警視庁は、これらが免除される国と地域を一覧で挙げています。そこに並んでいるのはアイスランド、イギリス、イタリア、オーストラリア、カナダ、韓国、ドイツ、フランス、台湾などで、アラブ首長国連邦は含まれていません。したがってUAEの免許から日本の免許へ替える場合は、確認を受ける前提になります。手数料は、申請手数料が普通免許で2,500円、交付手数料が2,350円、併記手数料が200円です。必要書類はすべて原本で、写しでは受け付けないとされています。外国等の運転免許証のほかに、権限のある機関が作成した日本語の翻訳文が必要です。
国際運転免許証で日本国内を運転できる期間についても、警察庁が条件を示しています。日本に上陸した日から起算して1年間、または免許証の有効期間のいずれか短い期間です。ただし3か月未満のうちに帰国した場合は、その帰国の日は運転可能期間の起算日にならないとされています。一時帰国を挟んで期間を延ばすことはできません。
ここで見ている案内は東京都の場合です。外国免許からの切替は都道府県の警察が窓口になるため、必要書類の細部や予約の方法は住所地によって違う可能性があります。帰国先が決まったら、その都道府県警察の案内で読み直してください。
確認できなかったこと
この記事で埋められなかった項目を、そのまま残します。推測で補うより、空欄の位置が分かるほうが確かめやすいためです。
| 項目 | 状態 | 理由 |
|---|---|---|
| 日本の免許の翻訳をどこで取得するか | 未確認 | RTAのページは Yes/legalised の記載だけで、取得先を示していません |
| 翻訳の費用 | 未確認 | 在ドバイ日本国総領事館のページに接続できませんでした |
| 交換前の期間に運転できるか | 未確認 | 確認した公表ページに、その期間の扱いが書かれていません |
| 電子視力検査が AED 140 から AED 180 で変わる理由 | 未確認 | 更新のページは幅を示すだけで、分かれる条件を書いていません |
| 日本の免許の区分とUAEの区分の対応 | 未確認 | RTAは All categories と書くだけで、対応表を公表していません |
いちばん影響が大きいのは最初の2行です。翻訳はドバイで申請する前に用意するものなので、取得先と所要日数が分からないと日程を引けません。ここは確認できた時点で追記します。
読み終えたあとに決めること
交換そのものは書類の手続きで、難しい判断は含まれていません。日程に効くのは3つです。Emirates ID が出るまで申請できないこと、翻訳を先に用意する必要があること、そして帰国時には同じ扱いにならないことです。
最後の点は、ドバイに来る前の段階でも意味を持ちます。日本の免許の原本は引き上げられないため、日本の免許は手元に残ります。帰国したときに日本の免許が有効なままなら、外国免許からの切替という手続きそのものが不要です。日本の免許の有効期限と、ドバイでの滞在予定の長さを並べて見ておく価値があります。
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