ドバイ・サウス/エリア

ドバイ・サウスの不動産|空港の計画と、登記された実績を分ける

ドバイ・サウスの不動産を、ドバイ土地局の登記データの集計から整理します。DLDの区画名は Madinat Al Mataar で、売買はドバイの区画のなかで最多ですが、ほぼ全部がオフプランです。空港の計画の数字と登記の実績を分けて示します。

ドバイ・サウスという名前は、たいてい空港の計画とセットで出てきます。アール・マクトゥーム国際空港を世界最大にする、その周囲に都市を丸ごと建てる、という話です。計画そのものはドバイ政府メディアオフィスの発表として公表されていて、建設費も旅客数も書かれています。ところが同じ発表を最後まで読んでも、いま買える住戸がいくらで、いつ引き渡されるのかは1行も書かれていません。

その一方で、ドバイ土地局(Dubai Land Department、以下DLD)が公開している登記の記録には、この地区の実績が厚く残っています。期間内に登記された売買の件数は、記録が立っている二百を超えるドバイの区画のなかでいちばん多いです。ドバイ全体の登記件数の約1割を、この1区画だけで占めています。ただし、そのほぼ全部が完成前の契約です。記録が示しているのは、建っている住戸が売れている姿ではなく、これから建つ住戸が売れている姿です。

先に結論を書きます。この区画の価格が低く見えるのは、平米あたりの単価が安いからではありません。単価はドバイ全体とほとんど同じで、違うのは広さです。登記の大半はスタジオと1ベッドルームで、プロジェクト登録に書かれている引き渡し予定は、数年先のある1年に強く偏っています。そして空港の第1期が整う年は、発表に書かれていません。片方は確定した日付として登記されていて、もう片方は期間だけが示されている、という非対称がこの地区の特徴です。

この記事は、計画として公表されている数字と、登記として記録されている数字を分けて並べたものです。物件を紹介するものではなく、どのエリアを買うべきかを決めるものでもありません。当社は値上がり、賃料収入、利回りのいずれも保証しません。水準の数字は更新のたびに動くので、本文ではなく図と表の側に置きました。同じ期間と同じ定義の続きはマディナ・アル・マターのデータにあります。

「Dubai South」では、DLDの記録を引けません

DLDの公開データは9つのデータセットに分かれていて、売買(Transactions)、賃貸(Rents)、プロジェクト(Projects)のどれも期間とエリアで絞る形です(確認日 2026-10-07)。エリアの欄に立っているのは土地の区画名で、開発事業の呼び名ではありません。だから、手元の資料にある名前をそのまま入れても記録が出ないことがあります。

ドバイ土地局のオープンデータ(Real Estate Data)のページ。売買・賃貸・プロジェクトなどのデータセットを、期間とエリアで絞って照会する画面が表示されている
引用キャプチャこの記事の集計は、すべてこのページから取得した記録です。エリアの欄に入れられるのは、この画面の選択肢に立っている区画名だけで、開発事業の呼び名では絞れません。照会には人がいることを確かめる仕組み(CAPTCHA)が付いており、結果はCSVで取り出せます。 出典:Dubai Land Department|Real Estate Data(オープンデータ)(キャプチャ取得日 2026-09-29/表示のファーストビュー。9つのデータセットと絞り込みの項目は 2026-10-07 に同じページで再確認しました)

この地区の記録が入っている区画名は Madinat Al Mataar です。アラビア語で「空港の街」にあたる名前で、日本語の資料で見かける「ドバイ・サウス」とは字面がまったく重なりません。名前から推測して探しても行き着けない組み合わせです。

では、その区画名がこの地区だとどうして言えるのか。根拠はDLDのプロジェクト登録の側にあります。DUBAI SOUTH PROPERTIES DWC LLC と EMAAR DUBAI SOUTH DWC LLC が登録した案件の area 欄に、いずれも Madinat Al Mataar が入っています。登記された会社名のほうから区画名へたどれます。開発事業の名前で検索するより、この経路のほうが確実です。

会社名は登記された名称なので、当サイトは英語のまま出します。地名が入っていてもカタカナにしません。読者がDLDやRERA(不動産規制庁)の登録を照会するときの手がかりになるからです。カタカナの「マディナ・アル・マター」は読み方の目安で、公式の表記ではありません。

手元にある名前 DLDのデータでの位置 確かめ方
Dubai South(開発事業の呼び名) 当サイトの区画名辞書には同じ綴りの区画も別に載っていますが、この記事の集計対象ではありません 英語の区画名で一覧を引き、記録が立っている側を確かめる
Madinat Al Mataar(この記事の集計対象) 売買・賃貸・プロジェクトのどのデータセットにも記録が立っています 期間とエリアを指定して、3つのデータセットを別々に引く
Emaar South(綴りの近い別の区画) 別の区画として立っています。同じ場所と決めつけると記録が混ざります 名前を寄せず、別々に引いて件数を見比べる
DUBAI SOUTH PROPERTIES DWC LLC / EMAAR DUBAI SOUTH DWC LLC(登記された会社名) プロジェクト登録の area 欄が Madinat Al Mataar になっています 会社名で登録を引き、area 欄の値を読む

表の1行目と3行目は注意のために置きました。当サイトが持つ区画名の辞書には Dubai South と Emaar South も別の区画として載っています。名前が似ているから同じ場所だろうと寄せると、別の区画の記録を混ぜることになります。同じ種類の取り違えが起きやすい組み合わせはドバイ不動産のエリア比較に並べました。

空港の発表に、開業の年は書かれていません

空港の発表に書かれている7つの数値と、書かれていない6つの項目を左右に並べた対照図。左は建設費AED128 billion、第1期の旅客数 年150 million人、最終的な旅客数 年260 million人、貨物 年12 million tonnes、ゲート400、平行滑走路5本、対象面積70平方キロメートル。右は第1期が整う年、住宅の価格、賃料、供給戸数、引き渡し時期、表面利回り
左は発表本文にある数値をそのまま並べたもので、換算も丸めもしていません。右は発表本文を最後まで読んでも埋まらない項目です。第1期については「発表から10年以内」という期間だけが示され、整う年そのものは書かれていません。同じ発表には、このエアロトロポリスが2007年から開発・運営されていることと、空港の周囲に都市を建てるにあたって100万人分の住宅需要が続くという見通しも書かれています。 出典:ドバイ政府メディアオフィス|Mohammed bin Rashid approves designs of new passenger terminal at Al Maktoum International Airport(発表日 2024-04-28/確認日 2026-10-07)

左の列に並んでいるのが、この計画について確認できる数値のすべてです。新しい旅客ターミナルの設計が承認され、工事に入ることが2024年4月28日に公表されています。規模の大きさは数字のとおりですが、規模の数字は住宅の値段を決めません。左の列をいくら読んでも、住戸の価格も賃料も出てきません。

右の列が、この記事でいちばん注意してほしいところです。第1期について書かれているのは「発表から10年以内に整う見込み」という期間だけで、年は示されていません。発表の時点から数えた期間なので、幅があります。開業の年を特定して、それを前提に賃料や価格を組み立てることはできません。

住宅についても、発表に書かれているのは需要の見通しです。空港の周囲に都市を建てれば住宅の需要が続く、という趣旨の記述で、戸数の計画でも価格でもありません。見通しは見通しです。供給が実際にどれだけ動いているかは、発表ではなくDLDの登記の側にしかありません。このあとそちらを見ます。

当サイトは、右の列を推測で埋めません。埋めてしまうと、発表に無い数字が確認済みの数字として読まれます。空欄は空欄のまま残します。

価格が低いのは、単価ではなく広さです

マディナ・アル・マターとドバイ全体の専有面積の中央値を、面積に比例した正方形で左右に並べた図。61.4平方メートル対77.6平方メートルで、平米単価の中央値は18,167 AED対18,510 AED、価格の中央値は948,000 AED対1,424,503 AED
四角形の面積が専有面積の中央値です。一辺は面積の平方根に比例させています。平米単価はドバイ全体とほぼ同じ高さに並び、差が出ているのは広さと、その結果としての価格です。中央値は別々の行から取った代表値なので、単価と面積を掛けても価格には戻りません。 出典:Dubai Land Department|Real Estate Dataの登記記録をReheatが集計(期間 2026-01-01〜2026-08-25/確認日 2026-10-07)

図の下段を上から順に読むと、話がはっきりします。平米あたりの単価の差は2%に届きません。ところが専有面積は2割ほど狭く、価格は3割以上低く出ます。この区画が安いと言われるとき、実際に起きているのは単価の違いではなく住戸の小ささです。

同じ1平米を買う値段ではドバイ全体の水準を払っていて、買っている平米の数が少ない、ということになります。この違いは、貸したときに受け取れる賃料にも、売るときの買い手の層にもそのまま効いてきます。広さが違うものを価格だけで比べると、広さの差を価格の差として読むことになります。

ひとつ注意があります。図にも書いたとおり、3つの中央値は別々の行から取った代表値です。平米単価の中央値に面積の中央値を掛けても、価格の中央値にはなりません。中央値は掛け算や足し算で分解できません。単価が同じで面積が狭いという関係を読むためだけに並べています。価格の代表値の読み方そのものは不動産価格・相場に分けてあります。

売買の指標マディナ・アル・マタードバイ全体(区画の合計)
登記件数(件)11,269110,525
価格の中央値(AED)948,0001,424,503
平米単価の中央値(AED/平米)18,16718,510
専有面積の中央値(平米)61.477.6
オフプランの比率(%)97.568.6
フリーホールドの比率(%)10097
価格・単価・面積はいずれも中央値です。平均も算出していますが、高額の登記に強く引かれるため代表値には使っていません。オフプランの比率はドバイ全体より約29ポイント高く、この区画の登記はほぼ全部が完成前の契約です。 出典:Dubai Land Department|Real Estate Dataの登記記録をReheatが集計(期間 2026-01-01〜2026-08-25/確認日 2026-10-07)

表の下2行が、この区画の性格を決めています。オフプランの比率はドバイ全体を大きく上回り、登記のほぼ全部が完成前の契約です。フリーホールドの比率は100%で、この区画で登記された売買はすべて所有権の区分でした。外国人が所有できる区分かどうかという論点そのものはドバイ不動産の基礎に分けてありますが、この区画については比率の上で例外が出ていません。

売れているのはスタジオと1ベッドルームです

間取り(DLDの表記)登記件数(件)区画全体に対する割合(%)価格の中央値(AED)
Studio(スタジオ)5,28046.9654,000
1 B/R3,40130.21,187,220
2 B/R1,54313.71,971,888
3 B/R3823.42,836,690
4 B/R2442.24,600,000
5 B/R1491.35,980,000
記載のない行(未記載)1911.73,346,888
記載のない行(NA)750.72,552,650
割合は当サイトが件数から計算したもので、公表値ではありません。四捨五入のため合計は100になりません。8区分の件数を足すと11,265件で、区画全体の登記件数(11,269件)とは4件ずれます。どの区分にも入らない行があるという意味で、合計を黙って示さずにずれを明記しています。参考までに、ドバイ全体のオフプラン登記では1ベッドルーム(26,344件)が最も多く、スタジオ(22,676件)は2番目です。 出典:Dubai Land Department|Real Estate Dataの登記記録をReheatが集計(期間 2026-01-01〜2026-08-25/確認日 2026-10-07)

スタジオと1ベッドルームを合わせると、この区画の登記の約77%になります。間取りの記載がある行のなかでは、小さい住戸にはっきり偏っています。ドバイ全体のオフプラン登記は1ベッドルームが最も多く、スタジオは2番目です。この区画はドバイ全体より一段小さい側に寄っています。

価格の列も一緒に見てください。スタジオの中央値は100万AEDを下回り、1ベッドルームもその2倍には届きません。価格の帯が狭く、しかも件数が1万件を超えているため、同じような住戸が同じ時期にまとまって市場へ出る形になります。貸すときも売るときも、同じ間取りの競合が多いという条件を先に織り込んでおけます。これは将来の予測ではなく、公表されている登記の構成から読める条件です。

「1 B/R」はベッドルーム(寝室)の数で、日本の「1LDK」とは数え方が違います。キッチンが独立しているか、メイド室をどう数えるかが物件ごとに違うため、おおむね対応するとしか言えません。表記を日本の表記へ機械的に置き換えると、広さの見当が外れます。

引き渡しの予定は、ひとつの年に集中しています

2024年から2034年の年の軸に、上段として空港の節目(2024年4月28日の設計承認・着工と、第1期が整うのは発表から10年以内で年の記載がないことを示す帯)、下段としてDLDに登記されている住戸の引き渡し予定年ごとの戸数を縦棒で並べた図。2028年861戸2件、2029年3,360戸9件、2030年1,166戸3件、2032年642戸1件
上段は発表に書かれた節目だけを置いています。第1期の年が示されていないため、点ではなく破線の帯にしました。下段は区画名が Madinat Al Mataar のプロジェクト登録15件を、引き渡し予定の年でまとめたものです。15件の事業規模を合わせると AED 4,377,072,353 になります。 出典:ドバイ政府メディアオフィスの発表(2024-04-28)とDubai Land Department|Real Estate Dataのプロジェクト登録をReheatが集計(住戸数の多い順に収録している範囲のうち/確認日 2026-10-07)

図を上下で見比べると、確定しているものとそうでないものがはっきり分かれます。下段の棒は、登録のときに届け出られた日付つきの引き渡し予定です。上段の帯は、年が書かれていないことを示すために幅を持たせています。買う側から見ると、住戸の引き渡しのほうが日付として先に決まっていて、空港のほうは年を特定できない、という並びになります。

棒の高さも偏っています。ひとつの年に9件が集まり、戸数では三千戸を超えます。同じ区画で、ほぼ同じ時期に引き渡しが重なるという形です。引き渡しが重なると、同じ時期に同じ区画で貸し出しや売却を始める住戸が増えます。先に貸し出せた住戸が借り手を取り、後から出した住戸が空室の期間を長く持つ、という順番が生まれやすくなります。どれだけの影響が出るかは、この記録からは分かりません。

プロジェクト名(DLDの登録名)登録している会社状態引き渡し予定戸数エスクロー口座
AVENEW888-LOOMAVENEW REAL ESTATE DEVELOPMENT L.L.CACTIVE2028-03-31661あり
Hayat 4DUBAI SOUTH PROPERTIES DWC LLCACTIVE2028-07-31200(ヴィラ)あり
Waada - Altura 2BT PROPERTIES DWC LLCACTIVE2029-03-14365あり
Waada - Cascada 2BT PROPERTIES DWC LLCACTIVE2029-03-17249あり
ZURA RESIDENCESALYAKKA DEVELOPERS L.L.CACTIVE2029-03-31321あり
Waada - Altura 1BT PROPERTIES DWC LLCACTIVE2029-04-12381あり
WINDSOR HOUSE IIELLINGTON PROPERTIES DEVELOPMENT L.L.CACTIVE2029-07-31424あり
MARAVELLE FAMILY COMPLEXK M Y REAL ESTATE L.L.CPENDING2029-08-31668なし
Vista RidgeEMAAR DUBAI SOUTH DWC LLCACTIVE2029-09-30198あり
Grove RidgeEMAAR DUBAI SOUTH DWC LLCACTIVE2029-09-30193あり
Terra GardensDWTC EMAAR L.L.CACTIVE2029-10-31561あり
Golf FieldsEMAAR DUBAI SOUTH DWC LLCACTIVE2030-02-28181あり
Terra WoodsDWTC EMAAR L.L.CACTIVE2030-03-31824あり
Golf TrailsEMAAR DUBAI SOUTH DWC LLCACTIVE2030-10-31161あり
FOREST CITY TOWER 3AL HELAL AL ZAHABY REAL ESTATE DEVELOPMENT L.L.CPENDING2032-04-01642なし
15件の合計9社ACTIVE 13件/PENDING 2件2028-03-31〜2032-04-016,029あり13件/なし2件
並べ替えは引き渡し予定の早い順です。状態と日付はDLDの登録の表記のままで、当サイトは言い換えていません。Hayat 4 だけがヴィラ200棟として記録され、ほかは住戸です。小規模な計画はこの範囲に入っていません。 出典:Dubai Land Department|Real Estate Dataのプロジェクト登録をReheatが集計(住戸数の多い順に収録している範囲のうち、区画名が Madinat Al Mataar のもの/確認日 2026-10-07)

表には登録している会社の名前も並べました。同じ区画に、立場の違う会社が混ざっています。地区名を冠した会社の案件と、そうでない開発会社の案件が、同じ区画名のもとに並んでいる状態です。区画で選ぶことは会社で選ぶことではありません。個別の計画はテラ・ウッズの登録内容のように、1件ずつ確かめられます。

代金の受け皿が記録されていない案件が2件あります

表のいちばん右の列を見てください。15件のうち2件は、エスクロー口座の記録がありません。そしてその2件は、状態が PENDING になっている2件と一致しています。残りの13件は ACTIVE で、口座が記録されています。

エスクロー口座は、オフプランで受け取った代金を対象のプロジェクトのために管理する銀行口座です。買主の普通預金でも、担当者が自由に預かる口座でもありません。口座が記録されていないということは、その計画がまだその段階に至っていないという意味です。計画が悪いという意味ではありませんが、代金の置き場所が分かれていない段階だとは言えます。オフプランを買う手順そのものはオフプラン物件に分けてあります。

逆に、口座が記録されていることが完成を保証するわけでもありません。口座は代金の置き場所を分ける仕組みで、工事が予定どおり進むことや引き渡しが遅れないことを約束するものではありません。ここは混同しないでください。

工事の進み方についても、記録を見ておく価値があります。15件のうち進捗の数値が入っているのは5件だけで、いずれも5%に届いていません。残りの10件は空欄です。オフプランの支払いは工事の進み方に合わせて区切られることが多いので、ほとんどの計画は支払いの大半がまだ先に残っている段階だと読めます。当サイトの数字は取得した時点のものなので、契約の前にはその時点の進捗をDLDの窓口で確かめてください。区画を越えた供給の動きは供給・完成予定データと、上期に完成した住戸の実績に分けてあります。

賃貸の記録は、売買の4分の1ほどです

賃貸と利回りの指標マディナ・アル・マタードバイ全体
新規の賃貸契約(件)3,049173,959
年間賃料の中央値(AED)70,00075,000
平米あたり賃料の中央値(AED/平米)833.3972.8
表面利回り・アパートメント(%)4.824.74
表面利回り・ヴィラ(%)4.784.74
賃料は新規契約だけです。更新の契約には賃料の引き上げに規制があるため、市場の水準より低く出ます。ドバイ全体の表面利回りの列は、賃貸と売買のどちらも30件以上あって算出できた50組の中央値で、アパートメントとヴィラで共通の値です。 出典:Dubai Land Department|Real Estate Dataの登記記録をReheatが集計(期間 2026-01-01〜2026-08-25/確認日 2026-10-07)

この区画は、売買の記録が1万件を超えるのに対して、新規の賃貸契約は3千件台です。売買のほうが分厚く、賃貸のほうが薄い区画です。すでに完成して貸し出されている住戸がまだ少ない、という読み方が素直です。ドバイ・マリーナのように賃貸の記録が売買の何倍もある区画とは、形がちょうど逆になっています。この区画の賃貸の記録はマディナ・アル・マターの家賃データにまとめてあります。

表面利回りは、アパートメントとヴィラの両方で算出できました。当サイトは賃貸と売買のどちらも一定の件数がある組み合わせだけに利回りを出しているので、両方そろう区画は多くありません。どちらもドバイ全体で算出できた組み合わせの中央値を少し上回っています。ただし差はごくわずかなので、順位を競わせるほどの開きではありません。

この数字には条件が3つ付きます。1つ目は、賃料が新規契約だけだということです。更新の契約には賃料の引き上げに規制があるため、市場の水準より低く出ます。2つ目は、同じ住戸の実績ではないことです。賃料の中央値と価格の中央値は、別々の物件の集まりから出ています。3つ目は、引いていない費用があることです。管理費、空室の期間、仲介手数料、修繕、送金と為替の費用はどれも入っていません。表面と手取りの差をどう見積もるかは利回り・家賃収入にまとめています。

公表資料から埋められなかったこと

  • EXPO跡地に当たる区画名。このカテゴリは空港とEXPO跡地の周辺を扱いますが、DLDの区画名のどれが跡地に対応するのかを公表資料で特定できていません
  • 空港の第1期が整う年。発表には「10年以内」という期間だけが書かれています
  • ドバイ・サウス全体の住宅の供給計画。発表にあるのは需要の見通しで、戸数ではありません
  • 区画の境界。DLDはこのデータで区画の地図を公表していません
  • 建物ごとの管理費(サービスチャージ)の水準。照会はプロジェクト単位の仕組みで、区画の代表値は公表されていません
  • 当サイトが収録している範囲に入らない小規模なプロジェクトの有無。表の15件は住戸数の多い順に絞った範囲のものです
  • 空室の期間。DLDの記録は成立した契約だけなので、借り手が見つかるまでの日数は出てきません

いずれも空欄のまま残しています。埋めるには、取得したデータに別の集計を足すか、プロジェクト単位で照会する必要があります。推測で埋めた数字をこの記事には書きません。

空港の計画を、価格の根拠にしないでください

この区画を候補にするかどうかは、空港がどれだけ大きくなるかでは決まりません。決まるのは、登記されている条件を引き受けられるかどうかです。買うのは六十平米前後のスタジオか1ベッドルームで、引き渡しは数年先の同じ時期に重なり、工事はまだほとんど進んでいません。貸し出しを始めるのは、同じ区画で同じ間取りの住戸がまとまって引き渡される時期です。

空港の計画は、その条件を変えません。発表に書かれているのは規模と期間で、住宅の価格でも賃料でもありません。計画の大きさを価格の根拠として持ち込むと、公表されていない前提を自分で足したことになります。足した前提は、あとから検算できません。

できることは、公表されている値で現在の水準を押さえて、変わったら押さえ直すことです。この区画の数字は同じ期間と同じ定義でマディナ・アル・マターのデータに置いてあり、ほかの区画と同じ指標で並べたい場合はエリア別のデータから引けます。当社は値上がり、賃料収入、利回りのいずれも保証しません。