Nakheel(ナキール)は2026年10月8日、Dubai Islands の Island B で行う海洋とビーチの工事を Mar Marine & Building Contracting L.L.C. に発注したと公表しました。発表によると、この工事でBay Villas の近くに320メートルのビーチフロントが新しく加わり、島の西岸およそ3キロメートルが改修されます。作業の内容として、防波堤の新設、いまある岩の護岸の撤去、Bay Villas 近くでの砂浜の造成、既存のビーチの補修と改修が挙げられています。完了の見込みは2027年第4四半期です。
住戸の販売や価格の発表ではありません。海岸の形そのものを変える工事の発注です。それでも、この島で完成前の住戸を検討している人には関係があります。パンフレットや説明で「ビーチフロント」と書かれているものが、いまそこにある砂浜なのか、これから作る砂浜なのかが、この発表で分かれるからです。いまある岩の護岸を撤去して砂浜を作ると書かれているので、少なくとも対象の区間では、完成までのあいだに海岸の姿が変わります。
この記事では、まず工事で何が入れ替わるのかを発表の記載だけで並べ、次に320メートルと約3キロメートルという2つの長さがそれぞれ何を測った値なのかを分けます。そのうえで Island B に出ている3件の発注を工事の種類で分け、最後に「完了」という言葉が指す時点を3つに分けます。金額はAEDのまま書き、円への換算は行いません。数値はすべて Nakheel と Dubai Holding が公表した発表本文、および Dubai Land Department(DLD、ドバイ土地局)のサービス案内からの転記で、当サイトが推計した値はありません。
海岸の形そのものを変える工事です
岩の護岸は、波や流れから陸側を守るために石を積んだ構造物です。砂浜とは役割が違い、歩いて海に入る場所にはなりません。今回の工事では、この護岸を撤去して Bay Villas 近くに砂浜を作ると書かれています。つまり、守る形の海岸から、使う形の海岸へ入れ替える工事です。あわせて防波堤を新設するとあります。発表には防波堤を置く目的は書かれていないため、当サイトは「新設すると書かれている」までにとどめ、理由の説明は加えません。
既存のビーチについては、補修と改修を行うと書かれています。島の西岸にすでに使われている砂浜があることになりますが、その位置も長さも発表には出てきません。したがって、いま公開されている資料から「どのビーチが残り、どのビーチが作り直されるのか」を区別することはできません。
工事中にその海岸や砂浜を使えるのかどうかも、発表の対象外です。海の中で行う工事と砂浜の造成が同時に進む区間では、立ち入りや景色が変わる可能性がありますが、期間や範囲が書かれていないので、当サイトからは何も言えません。完成前の住戸を見学する予定がある場合は、見学の時点で工事が行われている区間かどうかを、売主に確かめるのが確実です。
320メートルと約3キロメートルは、別の長さです
発表に出てくる2つの長さは、測っている対象が違います。足して読む数字でもありません。
| 公表された値 | 単位・区分 | 何を指しているか |
|---|---|---|
| 320メートル | ビーチフロントの長さ | Bay Villas の近くに新しく加わる砂浜の正面の長さ |
| 約3キロメートル | 海岸線の長さ | 改修の対象になる Island B 西岸の区間 |
| 2027年第4四半期 | 完了の見込み | 今回発注した海洋とビーチの工事の完了時期 |
| 636戸 | 住戸数 | Island B の Bay Villas(ヴィラとタウンハウス) |
| 18.6平方キロメートル・5島 | 面積と島の数 | Dubai Islands 全体の計画 |
| 契約額 | 記載がありません | 今回の海洋とビーチの工事 |
320メートルは、新しく加わるビーチフロントの長さです。ビーチフロントは砂浜に面した正面の長さを指す言い方で、そこに面する住戸が何戸あるかを示す数ではありません。どの区画や住戸が新しい砂浜に面するのかは発表に書かれていないため、配置図と契約書で確かめる項目になります。
約3キロメートルは、改修の対象になる西岸の区間の長さです。320メートルの砂浜がこの区間の内側にあるのか、別の場所なのかは、発表の文からは読み取れません。2つの長さを足して1本の区間として読まないでください。区間の位置を示す図面や座標も公表されていないので、地図上でどこからどこまでなのかを当サイトで特定することはできません。
18.6平方キロメートルと5島は Dubai Islands 全体の計画で、Island B だけの数字ではありません。この島には同じ名前で始まる案件が複数あり、2026年10月5日には別の住宅コミュニティが公表されています。名前が似ていても別の案件なので、Bay Estate の公表と今回の Bay Villas を同じものとして読まないでください。公表されている項目をそろえて並べる手順はドバイのオフプラン物件の比較にまとめています。
Island Bには、種類の違う発注が3件出ています
今回の発表には、同じ Island B で先に出た2件の契約も書かれています。2025年8月に Fibrex Contracting L.L.C. へ出された建設の契約がAED 2.6 billion、2026年4月に Al Nasr Contracting Company へ出されたインフラの契約がAED 527 millionです。これらに続くものとして、今回の海洋とビーチの工事が位置づけられています。
今回の契約額は公表されていません。そのため、3件を足して「島Bの総工費」を出すことはできません。2件の合計は計算できますが、3件目が欠けている合計を総額として扱うと、実際より小さい数字を総工費として示すことになります。当サイトでは、足し合わせた数字をこの記事に載せていません。
金額の大小を工事の重要さとして読むこともできません。対象が建物、インフラ、海岸と違うため、同じ基準で比べられる数字ではないからです。あわせて、ここに並ぶ金額はいずれも売主が施工会社に支払う工事の代金で、買う側が住戸に払う価格ではありません。工事の発注額と販売価格を分けて読む理由はNad Al Sheba Gardens 第7期の発注で詳しく分けています。
今回の工事が支える対象として挙がっているのが Bay Villas です。発表では、Island B にあるヴィラとタウンハウスからなる636戸のコミュニティと説明されています。間取り、住戸の面積、価格、販売の状況は今回の発表に出てこないため、636戸という数以外に住戸側の条件は確かめられません。
完了の時点は3つあり、公表されているのは1つだけです
| 何の時点か | 発表の記載 | 誰と誰のあいだの取引か |
|---|---|---|
| 海洋とビーチの工事の完了 | 2027年第4四半期 | Nakheel と Mar Marine & Building Contracting L.L.C. |
| Bay Villas の建物の完成 | 記載がありません | Nakheel と Fibrex Contracting L.L.C. |
| インフラ工事の完了 | 記載がありません | Nakheel と Al Nasr Contracting Company |
| 買主への引き渡し | 記載がありません | 売主と買主 |
2027年第4四半期という四半期が付いているのは、今回発注した海洋とビーチの工事だけです。建物の完成、インフラの完了、買主への引き渡しのいずれも、今回の発表には時期が書かれていません。海の工事の完了を、住戸の引き渡し時期として読み替えないでください。発注の相手が違い、契約も別で、遅れたときの扱いも別に決まります。
新しい砂浜が使えるようになる日も、工事の完了とは別の事柄です。工事が終わってから一般に開かれるまでの手順や時期は発表の対象ではないので、完了見込みの四半期を利用開始の時期として扱うことはできません。
完了の見込みは、公表されたあとで更新されることがあります。2027年第4四半期も、2026年10月8日の時点での見込みです。いまも同じ見込みなのか、工事の進みがどうなっているのかは、この発表だけでは分かりません。供給として数えられるのは完成したあとで、完成した実績の数え方はドバイの完成プロジェクトに分けて書いています。
ビーチと防波堤の維持費は、発表に書かれていません
砂浜や防波堤が加わることは、維持する対象が増えることでもあります。ところが今回の発表には、完成後に誰が維持するのか、その費用がどの区分に乗るのかは書かれていません。共用部分の管理費(サービスチャージ)の水準についても記載がありません。
ドバイでは、この部分を公表データで確かめる経路があります。DLDの Service Charge Index です。DLDのサービス案内によると、共同所有の不動産についてRERA(不動産規制庁)が承認したサービスチャージを照会できるサービスで、プロジェクト名、用途の区分、年を選んで調べる形です。経路として Mollak、DLDのウェブサイト、Dubai REST のアプリが案内され、処理時間は即時、利用できる人は居住資格を問わないと書かれています。
ただし、Bay Villas がこの照会で引ける状態なのか、海沿いの共用部分の維持がどの区分に入るのかは、当サイトでは確認していません。確かめていないことを確かめたように書かないため、ここは経路の案内までにとどめます。年ごとに承認された額を並べて見られる仕組みがあること自体は、完成後の負担を見積もるときの手がかりになります。賃料から費用を引いて手元に残る額を考える順序はドバイの利回りの比べ方で扱っています。
発表に書かれていないこと
推測で埋めずに、そのまま並べます。2026年10月8日の発表から読み取れなかった項目です。
- 今回の海洋とビーチの工事の契約額
- 工事の着手日と、工事中のビーチや海岸の利用可否
- 新しい320メートルの砂浜に面する区画と住戸
- 改修の対象になる西岸およそ3キロメートルの位置を示す図面や座標
- 防波堤の数、位置、規模
- Bay Villas の建物の完成予定と、買主への引き渡しの期日
- 住戸ごとの販売価格、住戸の面積、支払いプラン
- サービスチャージの水準と、砂浜や防波堤を維持する費用の負担先
- 新しい砂浜が一般に開かれる時期
販売の場では、このうちの何項目かが口頭で埋められることがあります。そのときは、同じ内容が契約書か公表資料のどこに書かれているかを確かめてください。発表に無い項目を当サイトが補うことはしません。会社名も Mar Marine & Building Contracting L.L.C.、Fibrex Contracting L.L.C.、Al Nasr Contracting Company と英語の綴りのまま置いています。登記や登録を照会するときの手がかりを落とさないためです。
海岸が変わることは、価格の根拠ではありません
海岸が整うことは、計画が前に進んでいることを示す出来事です。それは、価格が上がることや、賃料が取れることの根拠にはなりません。当社は、値上がり、賃料収入、利回りのいずれも保証しません。
この案件について利回りを計算することもできません。住戸の価格も賃料の見込みも公表されていないため、分母と分子の両方がそろっていないからです。新しい砂浜の近さを理由に利回りの見通しを示す説明を受けたときは、その前提の数字が公表資料のどこにあるのかを確かめてください。エリア単位で登記された数字を見たい場合はドバイの不動産データにまとめています。
この記事は、Nakheel と Dubai Holding が公表した発表本文と、DLDのサービス案内だけを材料にしています。工事の着手、契約額、Bay Villas の販売条件や引き渡し時期を含む続報が出た時点で、この記事を更新します。