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Meraasが272戸を発注|Nad Al Sheba Gardens 第7期は2028年Q2完成予定

Dubai Holdingが2026年9月24日に公表したMeraasの発注から、Nad Al Sheba Gardens第7期の272戸とAED 1 billion近くという金額の意味を、発表に書かれている範囲で整理します。

ドバイ・ホールディング(Dubai Holding)は2026年9月24日、傘下の Meraas が Nad Al Sheba Gardens の第7期について、GCC Contracting へAED 1 billion 近くの施工契約を発注したと公表しました。対象は272戸で、内訳は4〜7ベッドルームのヴィラ130戸と、3ベッドルームのタウンハウス142戸です。あわせてプールハウス、ユーティリティ、インフラの工事も契約に含まれます。現地では工事が始まっており、完成は2028年第2四半期が見込まれると書かれています。

この発表は、新しい物件の「販売開始」ではありません。売主が施工会社を決めて工事を発注したという内容です。完成前の住戸を検討している人にとって、発注・販売開始・完成・引き渡しは別々の出来事で、公表される日付も、公表する相手も違います。ひとまとめに読むと、工事が進んでいることの確認と、自分が買える条件の確認が入れ替わってしまいます。

この記事では、発注の発表に何が書かれているかを先に並べ、次に「AED 1 billion 近く」という金額が誰から誰への代金なのかを分け、1年4か月前に公表された第4期の発注と並べたうえで、買う側が公表資料だけでどこまで確かめられるかを整理します。数値はすべて Dubai Holding のプレスリリースと Dubai Land Department(DLD)の公表からの転記で、当サイトが推計した値はありません。金額はAEDのまま書き、円への換算は行いません。

発注の発表に書かれていること

まず、プレスリリースで確認できる項目だけを並べます。右の列が埋まっているものが、いま確かめられる事実です。

項目 発表の記載
公表日 2026年9月24日
発注した会社 Meraas(Dubai Holding Real Estate の一員)
受注した会社 GCC Contracting
契約額 AED 1 billion 近く
住戸数 272戸
内訳 4〜7ベッドルームのヴィラ130戸、3ベッドルームのタウンハウス142戸
住戸以外の工事 プールハウス、ユーティリティ、インフラ工事
工事の状況 現地で着工していると記載
完成の見込み 2028年第2四半期
場所 ドバイのダウンタウンから約10分。メイダン競馬場とドバイ国際空港に近いと記載
共用施設 歩道・サイクリング・ランニングの各コース、子どもの遊び場、複数競技に使える施設、プール、ヨガ用の芝、物販と飲食が入る Nad Al Sheba Gardens Mall
住戸ごとの販売価格 記載がありません
支払いプラン 記載がありません
買主への引き渡し時期 記載がありません

下の3行が、この発表の限界です。工事の発注は売主と施工会社のあいだの取引なので、買う側の条件はそもそもこの発表の対象ではありません。価格や支払い条件をたずねたときに「9月に発表がありました」と答える説明を受けたら、それはこの発注の話とは別のものです。

建物については、開放的な間取り、2層分の高さのある天井、自然石を使った仕上げ、見晴らしを取る大きな窓といった説明が付いています。Dubai Holding Real Estate のCEOである Khalid Al Malik 氏は、この発注が、計画的に開発された高級住宅コミュニティへの需要が続いていることを示すものだと述べています。GCC Contracting 側も、Executive Officer 兼 CEO の Bipin Chandran 氏が、第7期で Meraas と組むことと施工の水準について述べています。どちらも会社としての見方で、価格や利回りの見通しではありません。

272戸の内訳は、ヴィラ130戸とタウンハウス142戸です

戸数の内訳は、2区分までは数字が付いています。ヴィラが130戸、タウンハウスが142戸で、合計272戸です。

Nad Al Sheba Gardens第7期の272戸を1本の横棒に割り当て、4〜7ベッドルームのヴィラ130戸と3ベッドルームのタウンハウス142戸に分けた構成図。契約にはプールハウス、ユーティリティ、インフラ工事も含まれる。ベッドルーム数ごとの戸数、住戸の専有面積、区画の広さ、住戸ごとの販売価格、販売を開始する日は発表に記載がない
横幅は戸数の比だけを表しています。タウンハウスは3ベッドルームの1区分ですが、ヴィラは4から7ベッドルームまで4区分あり、区分ごとの戸数は示されていません。 出典:Dubai Holding|Meraas awards AED 1 billion contract for Phase 7 of Nad Al Sheba Gardens(確認日 2026-10-02)

ここで注意したいのは、ヴィラの130戸が4つのベッドルーム数にまたがっていることです。4ベッドルームが何戸で、7ベッドルームが何戸なのかは書かれていません。7ベッドルームのヴィラと4ベッドルームのヴィラでは、面積も価格帯も大きく違うはずですが、その配分が公表されていないため、この街区の価格の重心がどこにあるのかは分かりません。

タウンハウスの142戸は、全戸が3ベッドルームです。戸数では272戸の半分強を占めます。ドバイではタウンハウスとヴィラが別の物件種別として扱われ、DLDの取引データでも区分が分かれます。そのため、この街区の価格をあとから市場の数字と突き合わせるときは、ヴィラの行とタウンハウスの行を別に見る必要があります。

住戸の専有面積と区画の広さも、発表には出てきません。面積が分からないと、面積あたりの単価を出せません。単価を出せないということは、同じエリアの他の物件や、DLDの取引データと突き合わせられないということです。何をそろえれば同じ列に置けるのかはドバイの不動産価格の比べ方にまとめています。

「AED 1 billion 近く」は、買主が払う金額ではありません

この発表でいちばん取り違えられやすいのが金額です。AED 1 billion 近くという額は、Meraas が GCC Contracting に支払う工事の代金です。買主が住戸を買うときの価格でも、272戸の販売総額でもありません。

参考として戸数で割れば1戸あたりの金額を出せますが、その数字は発表に無い当サイトの計算になり、しかも住戸1戸あたりの工事費としても正確になりません。理由は2つあります。1つは契約に住戸以外の工事(プールハウス、ユーティリティ、インフラ)が含まれているため、戸数で割ると住戸以外の分まで住戸に乗ること。もう1つは「近く」という表記で、正確な契約額そのものが公表されていないことです。割り算で出した額を物件の価格として扱わないでください。そのため、この記事では割った数字を載せていません。

販売価格は、工事の代金とは別の原理で決まります。土地、設計、販売や管理の費用、売主の利益が乗り、完成前の物件では支払いが複数回に分かれます。初回にいくら必要で、引き渡しまでにいくら払うのかは支払いプランで決まるもので、工事の発注額からは出てきません。オフプランの案件を同じ項目でそろえて並べる手順はドバイのオフプラン物件の比較にまとめています。

第4期の発注と並べると、公表されている項目が揃っていません

Nad Al Sheba Gardens では、2025年5月21日にも施工契約の発注が公表されています。対象は第4期で、受注したのは Bhatia General Contracting Co.、契約額はAED 690 millionを超える額、完成の見込みは2027年第1四半期とされていました。間取りは4・5・6ベッドルームのヴィラと3ベッドルームのタウンハウスです。

比べる項目 第4期(2025年5月21日) 第7期(2026年9月24日)
受注した会社 Bhatia General Contracting Co. GCC Contracting
契約額 AED 690 million 超 AED 1 billion 近く
住戸数 発表に記載がありません 272戸
ヴィラの間取り 4・5・6ベッドルーム 4〜7ベッドルーム
タウンハウスの間取り 3ベッドルーム 3ベッドルーム
完成の見込み 2027年第1四半期 2028年第2四半期

2件を並べると、同じ売主の同じ街区でも、公表される項目が揃っていないことが分かります。第4期は戸数が公表されていないため、契約額を戸数で割ることすらできません。「1期あたりの契約額が大きくなった」とは言えますが、1戸あたりが高くなったのかどうかは、公表値からは判断できません。

もう1つ読み取れるのは、ヴィラの上限が6ベッドルームから7ベッドルームへ広がっていることです。これは発表された間取りの区分の違いで、第7期のほうが全体に大きい住戸で構成されている、という意味にはなりません。区分ごとの戸数が両方とも公表されていないためです。

Nad Al Sheba Gardensの施工契約2件を時間軸に並べた図。2025年5月21日に第4期をAED 690 million超でBhatia General Contractingへ発注し完成予定は2027年第1四半期、2026年9月24日に第7期を272戸・AED 1 billion近くでGCC Contractingへ発注し完成予定は2028年第2四半期。販売開始日、引き渡しの期日、支払いプランの期日、第4期の戸数は公表されていないため軸に載せていない
軸に載っているのは、公表されている日付と四半期だけです。白抜きのひし形は完成の見込みで、買主への引き渡し日ではありません。下の枠は、日付が公表されていないため軸に載せられない項目です。 出典:Dubai Holding|第7期の発注/Dubai Holding|第4期の発注(確認日 2026-10-02)

完成の見込みと、引き渡しの期日は別のものです

発表にある「2028年第2四半期」は、工事が完成する見込みです。買主が鍵を受け取る日ではありません。完成の後には、検査、必要な証明の取得、引き渡しの案内、買主側の確認、残代金の決済、登記という段が続きます。完成の四半期と、自分の契約書に書かれた引き渡しの期日は、別に確かめる必要があります。

この発表には、引き渡しの期日も、完成が遅れたときの扱いも書かれていません。遅延の扱いは売主と買主の契約で決まるもので、施工会社との契約の発表には出てきません。完成前に買う場合と、すでに建っている住戸を買う場合で、手続きと手元に残る書類がどう変わるかはビジネス・ベイのオフプランと完成済みで、エリアを限って整理しています。

完成の見込みは、過去に公表された値が更新されることがあります。第4期の2027年第1四半期も、2025年5月の時点での見込みです。いまも同じ見込みなのかどうかは、この2件の発表からは分かりません。工事中の物件を検討するときは、発表の時点の見込みと、いまの見込みを分けて確かめてください。

「完成した実績」は、DLDが別の数字として公表しています

発注は、これから建つものの話です。すでに建ったものの数は、DLDが市場の指標として公表しています。DLDは2026年9月7日、2026年上期に完成した不動産プロジェクトが104件、投資額がAED 111 billion超、市場に加わった住戸が24,537戸だと示しました。

ドバイ土地局が2026年上期の完成プロジェクト件数と住戸数を市場指標として挙げた発表ページの表示
引用キャプチャ「完成の実績」の側の数字が出ているDLDの発表ページです。今回の第7期の272戸は、まだこの実績には入りません。Nad Al Sheba Gardens という名前は、このページには出てきません。 出典:Dubai Land Department|DLD advances investor confidence, innovation and Emirati empowerment at IPS 2026(画像の取得 2026-09-08/表示のファーストビュー。内容の確認日 2026-10-02)

2つの数字は、数えている対象が違います。DLDの24,537戸は上期に完成した住戸で、Meraas の272戸は2028年に完成が見込まれる住戸です。供給の話をするときは、どちらの時点の数なのかを必ず分けてください。上期の実績の読み方はドバイの完成プロジェクトに分けて書いています。

今回の発注が公表されたことで、2028年の完成予定に272戸が加わる見込みが立ったことになります。ただし発注は工事の契約であって、完成を保証するものではありません。供給の予定として扱うなら「公表された計画」であること、実績として扱えるのは完成したあとであることを区別してください。

工事と登録の状況は、DLDの照会で確かめられます

売主の発表だけに頼らずに確かめる経路があります。DLDの Project Status Enquiry(Mashrooi)です。DLDのサービス案内によると、プロジェクト名またはプロジェクト番号で検索し、プロジェクト番号、面積、住戸数、登録の日付、完成の予定、所在、ディベロッパーの情報、管理会社の情報、そしてエスクロー口座の情報を見られるとされています。経路としてDLDのウェブサイトと Dubai REST のアプリが案内されています。

エスクロー口座の情報が同じ画面に出ることには意味があります。完成前の物件では、買主が払った代金がプロジェクトのエスクロー口座に入り、工事の進みに応じて引き出される仕組みです。工事を発注したという発表と、自分の代金がその口座に入っているかどうかは、別に確かめる事柄です。案件ごとにエスクロー口座が設定されているかを公表データで確かめる手順はドバイのディベロッパー比較、登録の仕組みが変わりつつある点はDLDの初期登録プラットフォームで扱っています。

なお、当サイトは第7期がDLDに登録されているかどうかを、この記事の時点では確認できていません。DLDの照会フォームには人が解く画像認証が設けられており、当サイトはそれを機械で越えない方針です。プロジェクトとディベロッパーの一覧はオープンデータとして配られていますが、個別の案件の登録の有無をここで断定することはしません。照会は、買う当事者が自分の案件について行うのがいちばん確実です。

発表を見たときに確かめる順序

ここまでの内容を、確かめる順に並べます。1と2は公表資料で誰でもできます。3と4は売主から書面を出してもらう必要があります。

施工契約の発表を見たときに確かめる順序を4段に分けた判断フロー図。1は発表にある発注先と契約額、戸数と完成の予定、公表日を写す。2はDLDのProject Statusでプロジェクト番号と戸数、登録日と完成の予定、エスクロー口座の情報を照会する。3は契約書で引き渡しの期日と遅れたときの扱いを確かめる。4は住戸ごとの販売価格と支払いプランの区切りを別に確かめる。工事代金は販売価格ではないことを注記している
赤い枠の2つは公表資料だけで進められ、緑の枠の2つは売主の書面が必要です。3と4を口頭の説明で済ませないでください。発注の発表には、引き渡しの期日も販売価格も書かれていません。 出典:Dubai Holding|第7期の発注/Dubai Land Department|Project Status Enquiry(確認日 2026-10-02)

会社名とプロジェクト名を当サイトがカタカナに置き換えていないのは、この照合のためです。GCC Contracting、Bhatia General Contracting Co.、Meraas、Nad Al Sheba Gardens は、いずれも登記や登録を引くときの手がかりになります。英語の綴りのまま控えて、契約書とDLDの登録に同じ名前が出てくるかを突き合わせてください。

発表に書かれていないこと

推測で埋めずに、そのまま並べます。2026年9月24日の発注の発表と、2025年5月21日の第4期の発表からは、次の項目は分かりませんでした。

  • 住戸ごと・間取りごとの販売価格と、面積あたりの単価
  • ベッドルーム数ごとの戸数(ヴィラ130戸の4区分の配分)
  • 住戸の専有面積と区画の広さ
  • 第7期の販売を開始する日と、販売の状況
  • 支払いプランの区切りと割合、初回に必要な金額
  • 買主への引き渡しの期日と、完成が遅れたときの扱い
  • サービスチャージ(共用部分の管理費)の水準
  • DLDに登録されたプロジェクト番号と、エスクロー口座を置く銀行
  • 第4期の住戸数と、第4期の完成の見込みがいまも同じかどうか
  • 第1期から第3期、第5期・第6期の戸数や完成の状況

広告や販売の場では、このうちの何項目かが口頭で埋められることがあります。そのときは、同じ内容が契約書か公表資料に書かれているかを確かめてください。発表に無い項目を当サイトが補うことはしません。

値上がりも賃料も保証されません

施工契約の発注は、工事が前に進んでいることを示す出来事です。それは、価格が上がることや、賃料が取れることの根拠にはなりません。当社は、値上がり、賃料収入、利回りのいずれも保証しません。

この街区について利回りを計算することもできません。販売価格が公表されておらず、賃料の見込みも示されていないため、分母と分子の両方がそろっていません。数字が出ていないところに利回りを当てはめる説明を受けたら、その前提が公表資料のどこにあるのかを確かめてください。分母と分子に何を入れるかはドバイの利回りの比べ方で扱っています。

この記事は、Dubai Holding のプレスリリース2件とDLDの公表資料だけを材料にしています。住戸ごとの価格、販売の開始日、引き渡しの時期を含む続報が出た時点で、この記事を更新します。