新築・オフプラン/解説

ドバイのオフプラン物件|完成予定の年で候補の中身が変わる

ドバイ土地局のプロジェクト登録簿368件を完成予定の年で分けると、2027年は37件13,374戸、2029年は27,065戸で最大でした。ヴィラの記録は2028年以降にしかありません。年ごとの候補の中身と、この数字をドバイ全体の在庫と読めない理由を示します。

オフプランの資料を並べると、先に目に入るのは価格と支払いプランです。ところが候補の数そのものを決めているのは、引き渡しの時期です。DLD(Dubai Land Department、ドバイ土地局)がオープンデータとして配っているプロジェクトの登録簿を当サイトが集計すると、2026年の日付範囲で照会した368件のうち、完成予定が2027年のものは37件・住戸13,374戸、2029年のものは115件・住戸27,065戸でした。年を1つか2つずらすだけで、候補の母数が倍以上に変わります。

先に誤解を外します。この368件は、ドバイで建設中の物件のすべてではありません。照会画面の日付欄は当年しか選べず(当サイトが2026-08-25に画面で確認)、2025年以前に登録されたプロジェクトはこの範囲に入りません。ですから下の表は「2027年に引き渡される物件はドバイに37件だけ」という意味にはなりません。読めるのは「2026年の照会範囲に入った368件のうち、完成予定が2027年のものが37件」です。この違いは記事の中ほどでもう一度扱います。

この記事では、完成予定がどの欄に入っているのか、年ごとに件数と戸数がどう分かれるのか、ヴィラの記録がある年はどこか、そして気になったプロジェクトを番号で照会する手順を順に示します。金額の話は扱いません。取引額と件数の比率はドバイのオフプラン取引データにあります。当社は値上がり、賃料収入、利回りのいずれも保証しません。

完成予定の年は「END_DATE」の欄に入っています

登録簿の1行には、日付の欄が3つあります。START_DATE(着工・開始の日)、END_DATE(完成予定の日)、COMPLETION_DATE(実際に完成した日)です。年ごとの供給を数えるときに使うのは、このうちEND_DATEだけです。

取り違えが起きやすいのはCOMPLETION_DATEです。これは「完成した日」なので、工事中や未着工の案件では空になります。当サイトが取得した記録でもこの欄は空で、ここで年を数えると表が丸ごと空になります。完成の予定と完成の実績は、同じデータの中でも別の欄として分かれていると考えてください。完成した実績の側はドバイの供給・完成予定データに別の記事があります。

4つ目の欄がPERCENT_COMPLETED(工事の進捗率)です。これも空のものがあり、値が入っていても1.43や0.14、0.08のように小さいものが混じります。2026年に開始の日付が付いたプロジェクトが多いため、照会した時点では工事が始まったばかり、という状態がそのまま記録に出ています。

プロジェクト登録簿の4つの欄の読み分け。START_DATEは照会の期間を絞る日付、END_DATEは年ごとに数えるときに使う完成予定日、COMPLETION_DATEは取得した記録では空、PERCENT_COMPLETEDは空のものがあり小さい値も入る
同じ1行の中で、どの日付の欄を見るかによって答えが変わります。この記事の年別の集計はEND_DATEだけで作っています。出典:Dubai Land Department|Real Estate Data(列構成の確認日 2026-10-28/集計日 2026-08-28)

2026年に照会した368件を、完成予定の年で分ける

END_DATEの年ごとに、プロジェクトの件数、住戸の数、ヴィラの数を足し合わせたものが次の表です。住戸(CNT_UNIT)とヴィラ(CNT_VILLA)は登録簿の別の列なので、合算せずそのまま並べています。

完成予定の年 プロジェクト 住戸(CNT_UNIT) ヴィラ(CNT_VILLA)
2027年 37件 13,374戸 0戸
2028年 139件 21,138戸 1,015戸
2029年 115件 27,065戸 5,335戸
2030年 62件 18,595戸 7,955戸
2031年 11件 5,907戸 0戸
2032年 3件 1,326戸 0戸

住戸がいちばん多いのは2029年の27,065戸です。いっぽう件数では2028年の139件が最も多く、2029年は115件で2番目です。件数の多い年と戸数の多い年は一致しません。1件あたりの規模が年によって違うためで、どちらを見ているかを混ぜないでください。

年別の住戸を足すと87,405戸、ヴィラは14,305戸になり、368件全体の合計と一致します。言い換えると、完成予定の年に振り分けられなかった案件は1件だけで、その1件は住戸もヴィラも持っていません。2026年中に完成予定となっている案件は、この368件の中には入っていません。

完成予定の年ごとの戸数の縦棒グラフ。住戸は2029年の27,065戸が最大で2032年の1,326戸が最小、ヴィラは2030年の7,955戸が最大で2027年と2031年と2032年は0戸
棒の高さが戸数、年の下の数字がプロジェクトの件数です。住戸の山は2029年、ヴィラの山は2030年で、ずれています。出典:Dubai Land Department|Real Estate Data をReheatが集計(照会範囲 2026-01-01〜2026-12-31/集計日 2026-08-28)

ヴィラの記録があるのは2028年から2030年だけです

ヴィラの列に数が入っているのは2028年の1,015戸、2029年の5,335戸、2030年の7,955戸で、2027年と2031年と2032年は0戸です。この範囲でヴィラを探すなら、引き渡しは早くても2028年になります。住戸のほうは2027年から2032年まで、どの年にも記録があります。

ヴィラの記録がいちばん多いのは2030年です。この年のヴィラ7,955戸は、同じ年の住戸18,595戸の4割あまりにあたる数です。逆に2029年は住戸27,065戸に対してヴィラが5,335戸で、戸数そのものは多いのに中身はアパートなどの住戸に寄っています。「供給が多い年」と「ヴィラが選べる年」は別の話です。

1件のプロジェクトは、住戸の列とヴィラの列のどちらか一方に数が入る形で記録されているものが多く、2つの列を足して1つの指標にすると意味が変わります。ヴィラだけを探している場合は、ヴィラの列が0の年を候補から外せます。間取りの区分そのものの読み方はドバイのアパートメントの間取りで扱っています。完成している物件から探す場合は完成物件、戸建てにあたる区分はヴィラの入口から辿れます。

「2027年は37件」をドバイ全体の件数と読まないでください

ここがこの記事でいちばん大事なところです。DLDの照会画面は、日付欄の選べる範囲が当年だけに制限されています。当サイトが2026-08-25に画面を調べた時点では、選択できる年は2026年のみで、下限が2026-01-01、上限が2026-12-31でした。画面には前年より前のデータについて別のポータルを案内する注記も出ています。

つまりこの368件は、2026年の日付範囲で受け取った分です。2024年や2025年に登録され、いま工事が進んでいて2027年に完成予定、というプロジェクトは入っていません。そのため年別の件数は「ドバイで2027年に引き渡される物件の数」ではなく、「この照会範囲に入った中で2027年完成予定のものの数」です。他社の記事と数が合わないときは、まずどの範囲を照会したのかを確かめてください。

もうひとつの注意点として、範囲外の日付を指定しても画面はエラーを返さず、当年分を黙って返します。要求した期間とファイルの中身が食い違う形になるため、当サイトの取り込みは保存したCSVから実際の日付範囲を読み直して、要求と違えば警告を出すようにしています。期間を指定したつもりになっているだけ、という状態を避けるためです。

実際に完成した件数と戸数は、DLDが期間ごとに公表しています。予定ではなく実績を知りたい場合はドバイの完成プロジェクトの実績を見てください。予定と実績を同じ表に混ぜないことが、この種のデータでいちばん多い取り違えを防ぎます。

2027年に完成予定の大きいものは、同じ1社に並んでいます

住戸数の多い順に並べたとき、上位に入る2027年完成予定のプロジェクトは次の4件です。いずれも同じディベロッパーの登録です。

プロジェクト(番号) ディベロッパー 区画(DLDの表記) 住戸 完成予定
Maybach Six(4321) Binghatti Developers FZE Nad Al Shiba First 1,878戸 2027-08-31
Binghatti Skyterraces(4327) Binghatti Developers FZE Al Hebiah First 1,587戸 2027-10-31
Binghatti Skyflame 1(4393) Binghatti Developers FZE Wadi Al Safa 3 1,407戸 2027-12-31
Maybach Ultimate Luxury(4320) Binghatti Developers FZE Nad Al Shiba First 1,233戸 2027-08-31

法人名とプロジェクト名は英語のまま載せています。カタカナに置き換えると、読者がDLDやRERAの登録を照会するときの手がかりが失われるためです。区画名もDLDの表記のままで、これが照会画面やCSVに出てくる文字列です。

より大きいものに目を向けると、この368件で住戸数が最も多いのはSOBHA L.L.Cの Sobha Central(番号4328、2,169戸、Jabal Ali First)ですが、完成予定は2031-12-31です。ヴィラの列で最も多いのはDANUBE PROPERTIES DEVELOPMENT L.L.Cの Greenz By Danube(番号4430、1,456戸、2029-12-31)でした。規模の大きい案件は、完成予定が後ろに寄ります。早い引き渡しと大きな規模は、同じ候補の中では両立しにくい関係にあります。

ディベロッパーごとの供給の読み方はドバイのディベロッパー別データにまとめています。登録簿はブランドではなく登記された法人の単位で並ぶため、同じブランド名が複数の行に分かれる点に注意が必要です。

状態とエスクロー口座の欄も、埋まり方がそろっていません

368件の状態(PROJECT_STATUS)の内訳は、ACTIVEが263件、PENDINGが102件、PENDING_COMING_SOONが1件、CANCELLEDが1件、空欄が1件です。照会した時点で動いている案件が全部ではありません。エスクロー口座の番号が記録されているものは271件で、残りには番号が入っていません。登録簿に名前が出てくるディベロッパーは230社にのぼります。

ここで、欄が空であることを「問題がある」と読まないでください。登録されたばかりで番号の登録が後になっている場合と、何らかの理由で記録がない場合を、このデータだけでは区別できません。空欄が意味するのは「このデータでは確認できない」ということだけです。確かめたい場合は、次の節の照会でプロジェクト単位に当たります。

進捗率についても同じです。空欄を「工事が止まっている」と読み替えず、値が入っているものについては、その値が照会した時点のものであることを前提にしてください。数字が小さいのは、2026年に開始の日付が付いた案件が多いという構成の反映です。

番号が分かれば、プロジェクト単位で照会できます

DLDは、プロジェクトの状態を1件ずつ照会できるサービス(Project Status Enquiry、Mashrooi)を公開しています。2026-10-28に確認した画面では、プロジェクト名、プロジェクト番号、用途の種類、プロジェクトの状態、部屋数、住戸の面積で検索できるようになっていました。

返ってくる内容には、プロジェクトの番号と所在地、住戸数と面積、完成の予定と登録の日付、ディベロッパーの名称と連絡先、管理会社、エスクロー口座の銀行、検査の記録が含まれます。DUBAI RESTというアプリからも同じ照会ができると案内されています。登録簿のCSVで候補を絞り、番号で1件ずつ確かめる、という順番が取れます。

Dubai Land DepartmentのProject Status Enquiry(Mashrooi)のファーストビュー。プロジェクト名や番号で状態を照会する画面が表示されている
引用キャプチャ候補のプロジェクト番号が分かれば、この画面から状態と完成予定、エスクロー口座の銀行まで1件ずつ確かめられます。出典:Dubai Land Department|Project Status Enquiry(Mashrooi)(キャプチャの取得日 2026-10-24/ページの再確認 2026-10-28/表示のファーストビュー)

資料に番号が書かれていないことはよくあります。その場合は名称で検索して、所在する区画と住戸数が資料と合っているかを見てください。名称が似ているプロジェクトは同じディベロッパーの中にもあるため、番号まで確かめるのが確実です。

候補を絞る順番

ここまでの内容を、実際に候補を絞る順番として並べ直します。先に時期を決めてから物件の種類に進むと、戻る回数が減ります。

オフプランの候補を絞る判断フロー。引き渡し時期を決め、住戸かヴィラかで分岐し、プロジェクト番号を控えてMashrooiで照会し、確かめられなかった項目は空欄で残す
住戸とヴィラで、選べる年が違います。戸数はいずれも2026年に照会した368件の範囲で、ドバイ全体の在庫ではありません。出典:Dubai Land Department|Real Estate Data をReheatが集計、照会手順は Project Status Enquiry(確認日 2026-10-28)

最後の段をとくに守ってください。確かめられなかった項目は、空欄のまま残します。支払いプランや価格帯をこの登録簿から埋めることはできないため、そこはディベロッパーの公表資料と見積もりで確認する欄になります。推測で埋めた数字が1つ混じると、あとから全体を検算できなくなります。

同じ数字を作り直す手順

この記事の表と図は、次の手順で作り直せます。

  1. DLDのオープンデータの照会画面を開き、Projects のタブを選ぶ
  2. 期間に 2026-01-01 から 2026-12-31 を入れる
  3. 表示される確認(CAPTCHA)を人が解いて検索する。当サイトはこれを機械で越えません
  4. 結果をCSVで保存する
  5. END_DATE の年ごとに、行数、CNT_UNIT の合計、CNT_VILLA の合計を出す

集計の定義もそろえておきます。件数は行数です。住戸とヴィラは別の列として合計し、足し合わせていません。代表値ではなく合計なので、1件の大きな案件がその年の数字を押し上げます。期間は要求した範囲ではなく、受け取ったCSVに実際に入っていた範囲で読んでいます。

注意点として、この画面に出てくるのはDLDが公開している登録簿そのものです。DLDのデータを加工して提供している民間のサービスとは層が違うため、本文でも「DLDの公式データ」と「DLDデータをもとにした◯◯」を書き分けています。この記事の数値は前者を当サイトが集計したものです。

この記事で分かること、分からないこと

分かるのは、2026年に照会できた範囲での完成予定の分布です。年ごとの件数と戸数、ヴィラの記録がある年、規模の大きい案件の完成予定が後ろに寄ること、そして候補を番号で照会する経路までです。

分からないのは、価格帯、支払いプラン、そして実際の引き渡しが予定どおりになるかどうかです。価格と支払いの条件はディベロッパーの公表資料が出典になります。引き渡しの時期についても、END_DATEは予定として登録された日付であり、当社も含めて誰もその日付を保証しません。当社は値上がり、賃料収入、利回りのいずれも保証しません。

当社が取り扱う物件は、出典を確定できた段階でドバイの物件情報に掲載します。いまは掲載していません。この記事は在庫の一覧ではなく、公開されている登録簿から候補の母数を自分で確かめるための手順です。