平米・sqft単価/データ

ドバイ不動産のsqft単価|平米単価との換算と読み方

ドバイ土地局の公開データは単価をAED/㎡で示します。1㎡=10.7639sq ftで換算をそろえ、売買110,525件の単価の分布、登記件数の多い6区画の単価、賃料と評価額の単価を同じ単位で並べ、取り違えやすい点を整理します。

ドバイの不動産では、面積あたりの単価が平方フィートあたりで書かれていることも、平方メートルあたりで書かれていることもあります。いっぽう Dubai Land Department(DLD、ドバイ土地局)が公開している登記のデータは、面積を平方メートルで示します。照会結果の列名にも単位がそのまま入っていて、Property Size (sq.m) です(確認日 2026-10-15)。平方フィートあたりの単価は、読む側が計算することになります。

係数そのものは1つに決まっています。1平方メートルは10.7639平方フィートで、面積あたりの単価は割り算と掛け算で行き来できます。ただし、それだけで比べられるようにはなりません。単価は「ある金額」を「ある面積」で割った値なので、分子に何を置き、分母にどの面積を置いたかが違えば、単位をそろえても別の数字になります。

この記事では、まず換算の係数がどこから来るのかを示し、次に当サイトがDLDの記録から計算した単価を平方メートルと平方フィートの両方で並べます。そのうえで、同じ「AED/sq ft」という表記の中に中身の違う数字が混ざることと、単価の高い区画が総額でも高いとは限らないことを、件数つきで確かめます。金額はすべてAEDのままで、円には換算していません。全系列の入口はドバイのデータ、この系列の一覧は平米・sqft単価にあります。物件を勧める記事ではありません。当社は値上がり、賃料収入、利回りのいずれも保証しません。

換算の係数は、長さの定義から決まります

平方フィートと平方メートルの換算は、推定値ではなく定義から決まる固定値です。米国国立標準技術研究所(NIST)の計量単位の解説は、1959年にインチが25.4ミリメートルと正確に等しいものへ定義し直されたと書いています。同じNISTの案内には、1フィートを0.3048メートルと正確に等しいものとする国際フィートの定義が、2023年1月1日から米国の標準になったとあります。

面積は長さの2乗なので、1平方メートルが何平方フィートになるかは、1を0.3048で割った値を2乗して求めます。結果は10.7639(小数第4位まで)です。単価は金額を面積で割った値なので、面積の係数で割れば平方フィートあたりに、掛ければ平方メートルあたりに戻ります。

長さの定義から面積の係数、単価の換算へと3段で進む計算図。1 ft = 0.3048 m、1 ㎡ = 10.7639 sq ft、AED/sq ft = AED/㎡ ÷ 10.7639 の順に並び、18,510 AED/㎡ が約1,720 AED/sq ft になる
係数の出どころは長さの定義だけで、不動産の相場とは関係ありません。図の中の計算例と面積の中央値は当サイトが計算したもので、DLDが換算表として公表しているものではありません。 出典:単位の定義はNIST|SI Units – LengthとNIST|U.S. Survey Foot(確認日 2026-10-15)、面積と件数はDubai Land Department|Real Estate Dataの登記記録をReheatが集計(期間 2026-01-01〜2026-08-25)

係数が固定なので、換算そのもので誤差は生まれません。誤差が生まれるのは、丸め方と、分母にした面積の定義です。当サイトは平方フィートの値に必ず「約」を付け、小数を落とした整数で出しています。平方メートルの値は公表された記録から計算した値、平方フィートの値はそれを当サイトが換算した値で、性質が違うためです。

面積の定義については、係数では解決できません。手元の資料の面積が、バルコニーや共用部分を含むのか含まないのかが分からなければ、単位をそろえても同じ土台には乗りません。換算は「単位」をそろえる作業で、「何を測った面積か」をそろえる作業ではありません。

当サイトの単価は、どの金額をどの面積で割ったものか

当サイトが「単価」と呼んでいるのは、DLDの登記記録にある取引金額の列(TRANS_VALUE)を、面積の列(ACTUAL_AREA、単位は平方メートル)で割った値です。対象は取引の種類がSalesの行だけで、抵当権の登録(Mortgage)30,043行と贈与(Gifts)5,801行は数えていません。抵当権は所有者が変わる取引ではなく、贈与の金額は市場の水準を表さないためです。

代表値は中央値です。小さい順に並べたときの真ん中の値で、平均ではありません。件数は行数、つまり登記された物件の数で数えています。DLDの記録では1つの取引番号が複数行に分かれることがあるため、「取引の件数」ではなく「登記された物件の件数」として読んでください。

Dubai Land Departmentのオープンデータ案内ページ。Transactionsの照会条件と結果の列が並んでいる
引用キャプチャこの記事の単価を計算した元データ(Transactions)が配られているページです。照会結果の面積の列名は Property Size (sq.m) で、単位は平方メートルです。この記事の sq ft の値は、すべて当サイトが換算したものです。 出典:Dubai Land Department|Real Estate Data(オープンデータ)(当サイトが2026-09-29に取得したファーストビュー/ページの確認日 2026-10-15)

分母の選び方には、もう1段の注意があります。DLDの照会結果には面積の列が2つ並び、どちらで割るべきかは案内されていません。どちらを使ったかを書き残さない単価は、外から検算できない数字になります。列の選び方と、条件をそろえてから価格を並べる手順はドバイの不動産価格を比べるに分けて置いています。この記事で使っているのは、取り込んだCSVの ACTUAL_AREA です。

売買については、面積が記録されていない行はありませんでした。単価を計算できた行は110,525件で、集計対象のSalesの件数と一致します。母数が減っていないので、この記事の単価の分布は「面積が書かれていた一部の取引」ではなく、対象期間のSalesの全体を見ています。

単価の中央値は18,510 AED/㎡、換算すると約1,720 AED/sq ft

中央値だけでは、自分が見ている単価がどのあたりにあるのか分かりません。分位点(下から何パーセントの位置にある値か)を、平方メートルあたりと平方フィートあたりの両方で並べました。

分位点 面積あたり単価(AED/㎡) 当サイトの換算(AED/sq ft)
下から5% 8,885 約825
下から25% 14,851 約1,380
中央値(下から50%) 18,510 約1,720
下から75% 23,919 約2,222
下から90% 33,409 約3,104
下から95% 39,246 約3,646

真ん中の半分(下から25パーセントから75パーセントまで)は、14,851から23,919 AED/㎡の間に入ります。平方フィートあたりに直すと、約1,380から約2,222です。下から95パーセントが39,246 AED/㎡(約3,646 AED/sq ft)なので、これを超える単価は上位5パーセントの層にあたります。

同じ記録から計算した平均は20,746 AED/㎡(約1,927 AED/sq ft)で、中央値よりはっきり高く出ます。ドバイの登記には単価の飛び抜けて高い取引が混じるためです。平均が間違っているわけではなく、答えている問いが違います。平均と中央値は、同じデータから作っても別の数字です。この記事で単価と書いてあるものは、断りのない限りすべて中央値です。

分位点の幅も押さえておくと役に立ちます。下から5パーセントの8,885 AED/㎡から下から95パーセントの39,246 AED/㎡までで、広がりは4倍強です。いっぽう同じ5パーセントから95パーセントの幅で取引価格そのものを見ると、15倍以上に広がります。総額の散らばりの多くは単価の違いではなく広さの違いから生まれていて、そのことはドバイ不動産の価格帯分布で件数とあわせて扱っています。

同じ「AED/sq ft」でも、中身が3つあります

面積あたりの単価は、売買価格から作ることも、年間賃料から作ることも、評価額から作ることもできます。どれも単位は「AED ÷ 面積」なので、表記だけでは区別が付きません。当サイトがDLDの記録から計算した4つを、同じ形のカードに並べました。

売買の取引価格、賃料の新規契約、賃料の更新契約、DLDの評価額という4種類の面積あたり単価を、中央値と平方フィート換算、母数つきで並べた数値カード図
4つを同じ軸の棒グラフにしていないのは、売買と評価額が「価格 ÷ 面積」、賃料が「年間賃料 ÷ 面積」で、単位が違うためです。評価額は3,299件のうち2,469件が土地で、住宅が97.4パーセントを占める売買とは中身が違います。 出典:Dubai Land Department|Real Estate Dataの登記記録をReheatが集計(期間 2026-01-01〜2026-08-25/確認日 2026-10-15)

賃料の単価は、売買の単価と桁が2つ違います。住宅の新規契約173,958件では972.8 AED/㎡・年、平方フィートあたりに直すと約90 AED・年でした。更新契約267,273件では734.2 AED/㎡・年、約68 AED・年です。更新のほうが低いのは、ドバイに賃料の引き上げに関する規制があり、更新の金額が市場の水準より低く出るためです。当サイトは新規と更新を混ぜずに出しています。

売買の単価と賃料の単価を同じ単位にそろえると割り算ができそうに見えますが、そこから出る数字は表面利回りです。管理費、サービスチャージ、空室、税、仲介手数料を引いていませんし、分子と分母が同じ物件の実績でもありません。当サイトが出している区画別の利回りも、同じ区画と同じ物件種別の「別々の物件」の中央値どうしの比です。前提の置き方はドバイの賃貸利回りを比べるにまとめています。

評価額の単価は、もっと慎重に扱う必要があります。3,299件の評価データのうち2,469件は土地で、売買の記録とは中身がまったく違います。そろえずに単価を割ると意味のない比率が出るため、当サイトは区画と物件種別(Land/Unit/Building)を一致させたうえで、評価と売買のどちらも20件以上ある組み合わせだけを比べています。該当したのは21組で、取引価格の単価が評価額の単価を上回る幅は、21組の中央で28.4パーセントでした。

具体的な1組を挙げると、マルサ・ドバイ(Marsa Dubai。「ドバイ・マリーナ」として知られる区画です)の住戸(Unit)では、評価額の単価の中央値が20,502 AED/㎡(約1,905 AED/sq ft)、取引価格の単価の中央値が48,011 AED/㎡(約4,460 AED/sq ft)でした。母数は評価81件、売買329件です。ただし、これは同じ物件を評価額と売却額で比べたものではありません。評価のデータには取引番号が無く、売買の記録と結び付けられないためです。

単価が高い区画が、総額でも高いとは限りません

区画をまたいで単価を比べると、総額の順番とずれます。登記された件数が多い上位6区画について、件数、取引価格の中央値、面積の中央値、単価の中央値を並べました。選んだ基準は登記件数で、価格の高さや当社の評価で付けた順位ではありません。

区画(登記件数の多い順) 登記件数 取引価格の中央値(AED) 面積の中央値(㎡) 単価の中央値(AED/㎡)
マディナ・アル・マター(Madinat Al Mataar) 11,269 948,000 61.4 18,167
ジュメイラ・ビレッジ・サークル(JUMEIRAH VILLAGE CIRCLE/通称 JVC) 6,912 1,029,847 70.6 15,825
ビジネスベイ(Business Bay) 4,470 2,275,000 83.8 26,963
ドバイ・ランド・レジデンス・コンプレックス(DUBAI LAND RESIDENCE COMPLEX) 4,464 819,676 66.3 15,410
アル・イェライス 1(Al Yelayiss 1) 3,644 2,903,000 144.0 19,611
マジャン(MAJAN) 3,551 728,000 47.5 15,672

この表に平方フィートあたりの列を置いていないのは、公表された記録から計算した値と、当サイトが換算した値を、区画ごとに同じ重みで並べたくないためです。AED/㎡ の値を10.7639で割れば平方フィートあたりになります。下の図の右側に、その対応をそのまま目盛りとして置いています。

表の中で向きが入れ替わっているのは、ビジネスベイとアル・イェライス 1です。取引価格の中央値はアル・イェライス 1が2,903,000 AEDで、ビジネスベイの2,275,000 AEDより高くなっています。ところが単価の中央値はビジネスベイが26,963 AED/㎡で、アル・イェライス 1の19,611 AED/㎡を上回ります。

理由は面積です。アル・イェライス 1の面積の中央値は144.0平方メートル(約1,550平方フィート)で、ビジネスベイの83.8平方メートル(約902平方フィート)の1.7倍あります。総額が高いのは1戸が広いからで、同じ広さに換算すると安い側です。総額だけを見ている人と単価だけを見ている人は、この2区画について逆の結論を持ちます。

登記件数が多い上位6区画を、横軸に面積の中央値、縦軸に面積あたり単価の中央値で置いた散布図。縦軸は左がAED/㎡、右がAED/sq ftの二重目盛りで、破線がドバイ全体の中央値を示す
横軸と縦軸にそれぞれドバイ全体の中央値を破線で引いているので、各区画が「広さで差が付いているのか、単価で差が付いているのか」を位置で読めます。縦軸は10,000 AED/㎡から始まるため、点の高さの比を単価の比として読まないでください。 出典:Dubai Land Department|Real Estate Dataの登記記録をReheatが集計(期間 2026-01-01〜2026-08-25/確認日 2026-10-15)

図で見ると、6区画のうち5区画が面積の中央値77.6平方メートルより左、つまりドバイ全体より狭い側に並びます。右側へ離れているのはアル・イェライス 1だけです。縦に見ると、単価の中央値18,510 AED/㎡の線より上にあるのはビジネスベイとアル・イェライス 1で、残りの4区画は下にあります。登記件数が多い区画は、単価が市場の中央値より低めのところに集まっています。

同じ区画の中でも、間取りをそろえると順番が変わります。区画全体の中央値は、その区画で何が多く登記されたかに左右されるためです。間取りで引き直す手順はドバイのエリア別データ、240区画の並べ替えと絞り込みはエリア別のデータにあります。

単価を出せない記録もあります

面積あたりの単価は、面積が1戸分だけ正しく記録されていて初めて計算できます。賃貸の記録では、1つの契約で複数の物件を借りているものがあり、面積は1戸分、賃料は全体という形で入ります。そのまま割ると単価が桁違いに大きくなるため、当サイトは1契約1物件のものだけを使い、25,327件を外しています。外した件数を書いているのは、母数が分からない単価は検算できないからです。

除外しないとどうなるかは実測済みです。この除外を入れる前は、ある区画の賃料の単価が相場から大きく外れ、そこから計算した表面利回りが100パーセントを超えました。単価は分母が小さくなるだけで大きく動くので、分母に何を入れないかを決めることが、分子を調べることと同じくらい効きます。

住宅の賃貸だけを数えている点も、単価の水準に関わります。労働者宿舎などは住宅の賃料水準とまったく違うため、当サイトは住宅(Flat・Villa)だけを集計しています。対象をどこまで広げるかで単価の中央値は動くので、他の資料と数字が合わないときは、まず対象の範囲を突き合わせてください。

この単価で答えられないこと

これは登記された取引の記録から計算した単価です。売り出し中の価格や、成約に至らなかった条件は入っていません。募集中の物件が「AED/sq ft」で単価を示していても、それは登記された単価とは別の数字です。この記事の分布は、募集価格の水準を表すものではありません。

期間は2026年1月1日から8月25日までで、前年との比較ができません。DLDの照会画面が当年ぶんしか返さないためです。「去年より単価が上がったか」という問いには、この集計では答えられません。また、DLDの公表は後から修正されることがあり、直近の期間ほど数字が変わる可能性があります。当サイトは90日ごとに取り直すことにしています。

単価は、物件の良し悪しを表す指標でもありません。同じ区画の中でも、階数、向き、竣工時期、共用部分の作りで差が付きます。平方フィートあたりの数字がそろったからといって、2つの物件が同じ条件になったわけではありません。当社は値上がり、賃料収入、利回りのいずれも保証しません。